1997 Fiscal Year Annual Research Report
高プロラクチン血症における免疫担当細胞の関与と作用機序の解明
Project/Area Number |
09877322
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
牧野 恒久 東海大学, 医学部, 教授 (30085758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善方 菊夫 東海大学, 医学部, 助手 (00266438)
和泉 俊一郎 東海大学, 医学部, 講師 (90138066)
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Keywords | プロラクチン受容体 / 免疫担当細胞 / フローサイトメトリ / PCR / mRNA |
Research Abstract |
高プロラクチン血症は、不妊娠や初期流産に合併することはよく知られた現象であるが、その作用機序については、視床下部下垂体レベルで論じられるのみである。現在、プロラクチン(PRL)の標的臓器として明確なのは、乳腺だけであるが、PRL自体は、系統発生の初期から存在する古いホルモンに属し、その標的臓器や作用も、種により大きく異なる。我々は、「男女を問わないPRLの標的臓器は、免疫担当細胞ではないか」と、推論し、その仮説を検証するために本研究を遂行中である。 平成9年度の成果の概要は、以下の如きである。 1、免疫担当細胞のいかなる分画(subpopulation)の細胞に、PRL受容体が存在するかを明らかにするため、フローサイトメーターを利用して、蛍光ラベルされる免疫担当細胞を検索した。 (1)まずPRL受容体に対して特異性の高い抗体を市販のものより検索した。乳腺細胞を正常コントロールとして組織染色で検討したところ、特異性の高いと思われるポリクロナール抗体を得た。しかし、これを用いた蛍光ラベルで、フローサイトメトリーを施行したが、充分な蛍光強度が得られなかった。したがってさらに免疫担当細胞のPRL受容体陽性分画を検討するのに充分な細胞数を得るに至っていない。 以上の結果を踏まえて、現在進行中の実験およびその実験戦略は 2、PRL受容体のいくつかのエピトープに対するモノクロナール抗体を作製し、やはり乳腺細胞の組織染色を正常コントロールとして、特異性の高いと思われるモノクロナール抗体を検索中である。 3、もし(2、で得た)モノクロナール抗体を使っても、フローサイトメトリーで、充分な蛍光強度が得られなかった時のために、血液中の免疫担当細胞からmRNAを抽出して、PCRにてPRL受容体の定量を行えるように、分子生物学的な手法も平行して行う事とし、その基礎的検討も進行中である。
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