1997 Fiscal Year Annual Research Report
網膜視神経節細胞に特異的に発現する新規遺伝子RAOの機能と遺伝性眼疾患との関連
Project/Area Number |
09877338
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今村 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80178003)
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
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Keywords | アミンナキシダーゼ / 網膜特異的遺伝子 / 網膜視神経節細胞層 |
Research Abstract |
われわれはヒト網膜cDNAライブラリーよりサブトラクション法を用いて、ヒト脳cDNAライブラリーには存在しないcDNA,BF8をプローブとして、ヒト網膜cDNAライブラリーよりヒト網膜特異的アミンオキシダーゼ(retina-specific amine oxidase;RAO)をコードする全長2.7kbのcDNAを単離した。ヒト網膜をふくむ25種のヒト組織を用いたノーザンブロット解析の結果、RAOは網膜に特異的に発現していた。またクローンBF8をプローブとしてヒトBACライブラリーをスクリーニングし、RAO遺伝子を含む3個のヒトBACクローンを得た。この内の1クローンはFISH法によりヒト染色体17q21にマップされた。またvectorettes PCR法によりRAO遺伝子の上流領域を増幅し、加えてRACE法によりcDNAの5'端を決定し、推定されるプロモーター領域を同定した。この領域にはglucocorticoid response elementやTATA boxが存在していた。さらに完全長RAO cDNAを鋳型としてリボプローブを作成し、マウス網膜に対してin situ hybridizationを施行した。陽性シグナルは主に網膜の視神経節細胞層に強く認められた。RAO遺伝子は4つのエキソンからなり、各エキソンの長さおよびエキソン・イントロン結合部位はヒト腎臓ジアミンオキシダーゼ(E.C.1.4.3.6)遺伝子と類似していた。慶應大学眼科に通院する20名の視神経萎縮症患者より、末梢血DNAを得、RAO遺伝子の変異の有無を調べた。この結果、1名の患者に遺伝子の欠損をみつけた。
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