1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877352
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOMASZ S.M. 徳島大学, 歯学部, 助手 (00294702)
江口 貴文 徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
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Keywords | 唾液腺 / 水チャネル / アクアポリン5 / 抗アクアポリン5抗体 / トランスロケーション / アセチルコリン / ムスカリンM_3受容体 / 細胞内カルシウムイオン濃度 |
Research Abstract |
分泌唾液において水の占める割合は極めて大きく、全血漿量の5分の1に相当する。唾液腺からのアミラーゼやムチンの分泌はβ受容体やムスカリン(M)受容体の刺激によって惹起され、水の分泌もこれらの受容体の刺激によって誘導されると考えられる。従って、水分泌と蛋白質分泌の間に何らかの機能協関があることが示唆される。本研究は唾液腺に存在する水チャネルであるアクアポリン(AQP)5に特異的な抗AQP5抗体を調製して、AQP5の機能の調節機構を開口分泌を調節する細胞内情報伝達機構連関因子との関連において検索し、両者の機能協関を追究し、本年度は下記の成果を得た。 1.唾液腺AQP5の細胞内局在に及ぼすアセチルコリン(ACh)の影響 唾液腺管腔側細胞膜(APM)、細胞内器官膜(ICM)及び基底側細胞膜(BLM)のAQP5の局在を調べた。AQP5はAPMやICMに局在していた。組織を10μMAChと3分以内の短時間反応させるとAQP5はAPMで増加し、反対にICMにおいては減少した。この反応時間を10分に延長するとAQP5はAPMで減少し、ICMにおいて増加した。顎下腺でも同じ結果が得られた。従って、唾液腺においてAQP5はAChに応答してICMとAPM間をトランスロケーションした。 2.AChによる唾液腺AQP5のトランスロケーションの調節機構 AChによるAQP5のICMからAPMへのトランスロケーションはメトクトラミンではなくアトロピンやp-F-HHSidによって完全に阻止された。 このAChによるAQP5のトランスロケーションはスタウロスポリンやH-7によっては阻止されず、TMB-8によって完全に阻止された。また、10μMA-23187によりAQP5のICMからAPMへのトランスロケーションが誘導された。 従って、AChは唾液腺M_3受容体に作用してAQP5のトランスロケーションを誘導した。この誘導機構にはCa^<2+>の細胞内貯蔵部位からの遊離による細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が関与していた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yasuko Ishikawa: "Mechanism of isoproterenol-induced heterologous desensitization of mucin secretion from rat submandibular glands." Biochimica et Biophysica Acta. 1265. 173-180 (1995)
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[Publications] Cang Chen: "Age-dependent changes in response of rat prostatic tissues to isoproterenol and forskolin." Mechanisms of Ageing and Development. 81. 1-13 (1995)
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[Publications] Ichiro Amano: "regulation of phosphorylation of Gi2α protein controls the secretory response to isoproterenol in rat parotid tissues." Biochimica et Biophysica Acta. 1313. 146-156 (1996)
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[Publications] Yasuko Ishikawa: "Mechanism of β-adrenergic agonist-induced transmural transport of glucose in rat small intestine." Biochimica et Biophysica Acta. 1357. 306-318 (1997)
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[Publications] Yasuko Ishikawa: "Acetylcholine acts on M3 muscarinic receptors and induces the translocation of aquaporin5 water channel via cytosolic Ca^<2+> elevation in rat parotid glands." Biochemical and Biophysical Research Communications. (in press). (1998)
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[Publications] Takafumi Eguchi: "Mechanism underlying histamine-induced desensitization of amylase secretion in rat parotid glands." British Journal of Pharmacology. (in press). (1998)
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[Publications] 石田甫(分担): "最新医学大事典(第2版)" 医歯薬出版株式会社, 2333 (1996)
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[Publications] 石田甫(編著者): "歯科薬理学(第4版)" 医歯薬出版株式会社, 541 (1997)