1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河合 啓次 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40204664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 佳央 防衛大学校, 通信工学科, 助教授
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Keywords | ミリ波 / マイクロ波 / う蝕 / 複素誘電率 / 滅菌 / 歯牙 / 細菌 |
Research Abstract |
電波照射によるう蝕無菌化を効率的に行うために、う蝕細菌培養液に電波を以下の条件で照射し、照射前後の生菌数をコロニー・カウントにより計測した。条件は電波の波長、照射強度(W)、照射時間(分)の3因子であり、本年度は高出力が得られるマイクロ波領域の電波(430MHz)を用い、その照射時間を10分、30分、1時間の3段階で、照射強度を5Wから50Wまで変化させて、う蝕細菌培養液への殺菌効果を検討した。その結果、電波照射単独では滅菌効果が小さく、45℃以上の温熱作用と電波を併用することで滅菌効果が有意に高くなることが判明した。そこで、う蝕細菌培養液が、45℃および50℃にになるように調整した後、さらに平均出力が5から50Wの範囲で同じになるように同電波を連続的(CW)に、あるいは間歇的(PW)に照射したところ、PWあるいはCWでは温熱作用のみ(PC)の群より有意に生菌数が減少し、電波照射による滅菌効果が明確に実証することができた。また、PWとCWでは常にPWの方が生菌数が小さくなり、電波を連続的よりも間歇的に照射する方が滅菌効果が高いことも判明した。以上の結果を踏まえ来年度はう蝕誘発細菌の種類をさらに2ないし3種に増加し、上記の温度ならびに照射モードの違いによる滅菌効果の違いが現れるのかどうかについて検討を加えて行く予定である。また、細菌への照射モードも本年度の結果より、連続的よりも間歇的に照射する場合に有意に高い滅菌効果が得られたことから、さらに種々のモードを検討し、最大の効果が得られる照射プログラムを確立する。
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