1997 Fiscal Year Annual Research Report
間欠性クローズドロック発現機序の顎運動学的解明と予防的運動療法への展開
Project/Area Number |
09877374
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野村 修一 新潟大学, 歯学部, 教授 (40018859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正司 新潟大学, 歯学部, 教授 (50014098)
林 孝文 新潟大学, 歯学部, 講師 (80198845)
|
Keywords | 間欠性クローズドロック / 運動経路 / 下顎頭運動 / 顎運動練習 / ロック解除法 |
Research Abstract |
本研究は間欠性クローズドロック発現機序を顎運動の観点から明らかにするとともに,その成果を顎運動練習に応用する方法がクローズドロックの有効な予防療法となりうるかを検討することを目的としている. まず,間欠性ロックの病態を明らかにする目的で,7症例についてロック時とアンロック時の下顎頭運動を比較して,ロックを解除させる運動の特徴を調べた.その結果,ロック解除法として,(1)非ロック側下顎頭を回転軸とし,ロック側下顎頭を滑走させる側方運動様の運動を示すタイプと、(2)アンロック時の開口開始点がロック時の顎位に比べて前下方に変化するタイプの,2タイプに分類できることが明らかとなった. 次に,開口途中で健側下顎頭が運動経路上を折り返す特異な運動経路を伴なってロックを自力解除していた症例に対し,顎運動の分析結果を応用して関節円板が復位しやすい開口経路を指導し,円滑な開口運動が得られた.治療後の運動経路には,患側でクリックに伴なう屈曲が小さくなり,健側で折り返しが消失した.また,顎位が後上方にあるとロックが発現する症例には,下顎位への注意とクレンチング習癖の停止を指導することでロック発現を軽減させることができた.これらの結果から,顎関節内障に対し6自由度顎運動分析を応用した運動療法の可能性が示唆された. 学会発表 1.野村修一,加茂剛介,河野正司ほか:アンロック時の顎運動分析を開口練習に応用した間欠的ロック症例,第10回日本顎関節学会 7/31/1997. 2.加茂剛介,野村修一,河野正司ほか:間欠的ロック症例におけるロック解除時の下顎頭運動経路分析,第10回日本顎関節学会 7/31/1997. 3.加茂剛介,野村修一,河野正司ほか:間欠的ロック症例におけるロック時とアンロック時の科学運動分析,平成9年度厚生科学研究「口腔保健と全身的な健康状態の関係についての研究」新潟ワークショップ 2/6/1998.
|