1997 Fiscal Year Annual Research Report
顎裂部へ移植された腸骨海綿骨の質的変換についての研究
Project/Area Number |
09877387
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 富昭 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (80014207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70212826)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 二次的腸骨移植 / 顎裂部 |
Research Abstract |
本年度研究にて日本猿の人工的顎裂モデルの作製を行っておりその経過について報告する。 実験動物は雄の成猿(日本猿)10頭を用いた。 1)インフルレン維持による全身麻酔下で人工的顎裂の作製を行った。 2)両側の上顎側切歯、犬歯を抜歯し同部の骨を削除し鼻腔側にまでおよぶ約20mmの顎裂幅の人工的顎裂を作製した。 3)鼻口腔瘻を作製するために鼻腔側粘膜にも切開を行い、挙上した粘膜骨膜弁は顎裂部粘膜となるように弁の先端を可及的に鼻腔側へ翻転し縫合し鼻口腔瘻も作製した。鼻口腔瘻を維持するためにネラトンチューブを鼻腔と口腔に貫通させ、縫合固定した。 4)また術後は上顎前歯部のセグメントがフリーとなるため、術後の創の安静のためにシ-ネを装着した。 人工的顎裂の作製後約3ヶ月経過しても瘻孔が自然閉鎖することなく、瘻孔部粘膜は上皮化しており、より口唇、口蓋裂患者に近いモデルであると考えられる。今後は顎裂作製から約3ヶ月を目安に同顎裂に自家骨ならびに生体材料(rh-BMP)を移植し、その骨架橋形成の量的質的変化を検討していく予定である。
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