1998 Fiscal Year Annual Research Report
Costimulatory分子導入による口腔癌免疫療法の研究
Project/Area Number |
09877396
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
藤林 孝司 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80013978)
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Keywords | 口腔癌 / 免疫療法 / Costimulatory分子 / 下顎歯肉癌T分類 / 予後規定因子 / 口腔癌由来培養細胞 / IL-6 / オートクライン |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続いて口腔癌免疫療法の基盤となる諸種の研究を行った。下顎歯肉癌については、T分類法をいわゆる下顎管分類を用いた場合に、T分類および骨浸潤様式別にみて過去のデータから腫瘍制御率の高い下顎切除法について、下顎辺縁切除か下顎区域切除かの観点から分析した。 また口腔扁平上皮癌については症例の予後をもっとも左右する臨床的ならびに病理組織学的因子を多変量解析によって解析した。その結果からはT分類(p=0.0125)、治療方法(p=0.0293)、組織学的腫瘍浸潤様式(p=0.0027)がおのおの独立した予後規定因子として重要であることが判明した。 口腔癌患者から生検時ならびに切除手術時に口腔癌腫瘍組織を採取し、口腔癌細胞を分離、培養することをその後も試みている。昨年度口腔癌から分離培養し樹立された細胞は形態学的には多角あるいは類円形を呈し敷石状に配列した。透過電顕所見はデスモゾームやトノフィラメントの形成も見られ、上皮細胞マーカーであるケラチンも陽性で、倍加時間は28時間であり、染色体数は68から80本に分布していた。培養液中にはIL-6が高濃度でみられ、培養細胞の免疫組織化学的にはIL-6レセプターの発現も高く、オートクライン機構による増殖も示唆された。そこで口腔扁平上皮癌担癌患者血清中のIL-6濃度を可及的に測定しているが、症例により陽性例もみられる。Costimulatory分子については今後さらに検索予定である。
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[Publications] Takashi Fujibayashi et al.: "Indications for marginal or seqmental mandiflectomy using the level of mandibular canal criterion for T classification of mandibular carcinomas." J.Cranio-Maxillofacial Surgery. 26・Suppl.1. 54-54 (1998)
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[Publications] Imai,Y.,Sasaki,T.,Iwase,H.,Fujibayashi,T.,et al.: "A new human squamous cell carcinoma cell line and production of interleukin-6(IL-6)." J.Cranio-Maxillofacial Surgery. 26・Suppl1. 82-82 (1998)
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[Publications] 佐々木忠昭,今井 裕,藤林孝司: "口腔および関連領域扁平上皮癌の予後規定因子についての多変量解析による検討" 日本口腔腫瘍学会誌. 10・3. 154-154 (1998)
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[Publications] 今井 裕,秋元一三,佐々木忠昭,藤林孝司 ほか: "ヒト口腔扁平上皮癌細胞株の樹立とその性状" 日本口腔腫瘍学会誌. 10・3. 181-181 (1998)
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[Publications] 佐々木忠昭,今井裕,藤林孝司: "口腔扁平上皮癌における予後因子について-比例ハザードモデルによる分析-" 日本口腔学会雑誌. 47・5. 539-539 (1998)