1998 Fiscal Year Annual Research Report
p53遺伝子欠失マウスを用いた口腔癌発症機序の解析
Project/Area Number |
09877397
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
南雲 正男 昭和大学, 歯学部, 教授 (70013993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽鳥 仁志 昭和大学, 歯学部, 助手 (20245814)
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Keywords | p53 / 遺伝子欠失マウス / 口腔粘膜上皮 / 細胞周期 / 4NQO / p21 / c-myc / c-fos |
Research Abstract |
p53遺伝子欠失C57BL/6マウス(p53^<-/->マウス)および正常C57BL/6マウスの口腔粘膜上皮細胞を用い、主として細胞周期制御機構の面から発癌機序を解析し、以下のような結果が得られた。 1 p53^<-/->マウスから採取した口腔粘膜上皮細胞は、正常マウスのそれと比べて増殖能が高く、かつ培養可能期間が長かった。ただし、両者には形態学的な違いはみられなかった。 2 培養細胞にEGF,IL-1αなどの成長因子を添加すると、p53^<-/->マウス由来の口腔粘膜上皮細胞の増殖速度が正常マウス由来のものと比較して有意に律速された。 3 フローサイトメトリーによって細胞周期を検討したところ、p53^<-/->マウスの口腔粘膜上皮細胞では成長因子の添加によりG1期が短縮しており、G1停止が起こりにくくなっていることが判明した。 4 p53^<-/->マウスの舌に発癌物質である4NQOを7日間塗布した後、c-myc,c-fosmRNAの発現を検討したところ、4NQO処理によってc-mycmRMの発現はp53^<-/->マウスおよび正常マウスいずれにおいても増強された。一方、c-fosmRNAの発現は、p53^<-/->マウスで抑制され、正常マウスでは変化がみられなかった。 5 4NQOで処理した口腔粘膜上皮では、p21がp53依存性に発現が誘導されたが、p57の発現はp53非依存性であった。 以上の結果から、口腔粘膜の癌化にはp53が関与する経路とp53非依存性の経路の異常の両方が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ito O.et al: "Alternative expression and response to DNA-damage of oncogenes in oral mucosal tissue from p53-knockout mice" Molecular Biology of the Cell.8. 339-339 (1997)
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[Publications] 伊東大典 他: "p53遺伝子欠損マウス口腔粘膜組織の細胞周期調節機構" Proceeding of the Japanese Cancer Associacion (56 Annuoc Meeling). 88(Sup). 310-310 (1997)
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[Publications] 伊東大典 他: "口腔粘膜組織の細胞周期調節機構:p53遺伝子欠損マウスを用いた解析" 日本口腔粘膜学会雑誌. 3(2). 124-125 (1997)
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[Publications] 中西祐子 他: "p53遺伝子欠損マウスの口腔粘膜上皮癌化過程におけるCDK阻害因子の発現" 第43回日本口腔外科学会総会. (1998)
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[Publications] Nakonishi Y.et al: "Expression of CDK inhibitors interatinocytes from p53 knockout mice." 46th Annuol Meeling of JADR. (1998)