1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877400
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田中 彰 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (60267268)
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Keywords | 顎関節 / アミロイド骨関節症 / 腎不全ラット / 透析療法 / 関節炎 |
Research Abstract |
本研究は、透析患者の顎関節変形所見、とりわけ骨嚢胞所見についてのスクリーニング調査ならびに、腎不全ラットを用いて、顎関節に実験的アミロイド沈着を発症しうるかを検討することにより、顎関節におけるアミロイド骨関節症の発症状況の把握、発症のメカニズムを解明する糸口とすることを目的とする。平成9年度は主として患者のスクリーニング調査と顎関節における実験的アミロイド沈着に関する予備実験を中心に研究遂行した。 新潟市信楽園病院において慢性腎不全透析療法中の患者267名を対象とし、顎関節症状に関する疫学的調査を行い、異常の認められた患者83名に対し、現在順次、画像診断を中心としたスクリーニング調査を施行中である。 本年度は、予備実験として生後6周齢のLEW/SsN SIcラットを用い、Platteらの方法による5/6腎臓摘出により腎不全ラットに陥らせたものを作成、6週間飼育し、生存可能であることを確認した。犠牲死時に腹大動脈より採取し、BUN、CRE、β2-ミクログロブリンを測定、残存腎機能の指標とした。BUNは平均61.2±16.24mg/dl、CREは平均1.1±0.12mg/dl、β2-ミクログロブリン18.8±10.1μg/dlであった。ラットの関節包内注射法を確認するためにラット外眼角と外耳道前縁を結ぶ直線上の中点に27G注射針を刺入し、強制開閉口運動により刺入針の上下動を確認し、関節包内への刺入の確認とした。なお、関節滑液の採取は困難であった。武藤らの確立した強制過剰開口により実験的滑膜炎の発症を試みた。6週後に犠牲死させ顎関節の組織標本をHE染色し、上関節腔前方部の滑膜における軽度な炎症所見を確認した。またTrenthanらの方法に従い、ラット顎関節におけるII型コラーゲン関節炎の作製を試みたが、四肢関節における関節炎発症は確認し得たが、顎関節に著明な変化は認めなかった。
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