1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877404
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大坪 邦彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20272601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014200)
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Keywords | Ti-Ni合金 / 溶接 / Co-Cr合金 / 超弾性 / 引張り試験 / ねじり試験 / アルゴンガス / 矯正用ワイヤー |
Research Abstract |
平成9年度に開発した超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとCo-Cr合金ワイヤーおよびステンレス鋼ワイヤーとの溶接技術を用いて、さまざまな矯正装置の開発を行なった。 まず、サイズ0.016×0.022 inchの超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとCo-Cr合金ワイヤーを突き合わせ溶接し、アーチワイヤー状の形態とした。すなわち、歯の移動を行なう.部分を超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとし、それ以外の画定源となる部位をCo-Cr合金ワイヤーとして、一本のなかで2種類の全く特性の異なる合金を用いたアーチワイヤーを作製した。叢生のある前歯部や、局所的に移動させたい一歯を有する症例にこのアーチワイヤーを使用したところ、対象とした歯牙のみが目的どおりにスムースに移動され、それ以外の部位は歯列の状態を全く変えずに保うことが可能であった。 また、0.8から0.9mmの超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとCo-Cr合金ワイヤーをまず直線状に突き合わせ溶接したものを作製し、超弾性型Ti-Ni合金ワイヤー部分は通電熱処理器を使用してU字ループ状に曲げることにより,上顎歯列拡大装置を作製した。これにより、拡大力を発揮するループが超弾性特性を発揮し、ほぼ一定の拡大力が発現しつづける一方、一歯列に接する部分のワイヤーはCo-Cr合金線とすることにより、適合性の調節等は従来同様容易に行なえた。 すなわち,超弾性特性を活かして矯正力を発揮する部分と,Co-Cr合金線の剛性の高さを活かして固定源とする部分が区別された新たな矯正装置の作製が可能となり,超弾性型Ti-Ni合金線の応用範囲がこれまで以上に広がるものと考えられる。
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[Publications] 黒田勝也: "異種金属接合ワイヤーの臨床-超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとCo-Cr合金ワイヤーを溶接して" 日本矯正歯科学会抄録集. 57. 132 (1998)
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[Publications] 黒田勝也: "超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーとCo-Cr合金ワイヤーの接合とその臨床応用" 口腔病学会雑誌. 66・1(発表予定). (1999)
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[Publications] 大坪邦彦: "改良・超弾性型Ti-Ni合金ワイヤーを用いた新しいリップパッド装置の考案" 日本矯正歯科学会抄録集. 57. 132 (1998)