1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯科診療室環境の新しい清浄度管理指標に関する研究-アデノシン3リン酸を汚染指標とした清浄度モニタリング
Project/Area Number |
09877410
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
升谷 滋行 日本大学, 歯学部, 講師 (40157201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (70130466)
太田 肇 日本大学, 歯学部, 講師 (50059812)
池谷 正洋 日本大学, 歯学部, 講師 (40059275)
笠茂 幸嗣 日本大学, 歯学部, 講師 (20120404)
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Keywords | 歯科診療室環境汚染 / 拭き取り検査 / 清浄度管理 / 汚染指標 / ATP / ルシフェラーゼ / 発光量 / 感染防止対策 |
Research Abstract |
1.ATPを汚染の指標とした診療室環境の汚染度測定法の検討 滅菌・消毒を徹底した歯科診療器械・器具や医療従事者の手指から診療前の清浄度と診療後の汚染度を比較するための試料の調整は、試験管に分注した滅菌精製水1.0mlに浸漬した滅菌綿棒で拭き取り検査対象を拭き取り、拭き取った綿棒を試験管に戻し、濯ぎ出す。この試料0.1mlを採取し、微生物用ATP抽出試薬0.1mlを加えて処理後、ルシフェリン・ルシフェラーゼ発光試薬0.1mlを加え、微生物に含まれているATPの酵素反応による微弱な発光量を検出する小型軽量ルミノメータで測定を行った。一般診療室環境の汚染度のモニタリングのために、ATPを指標とした拭き取り検査法確立を目的とした基礎実験を行った。 2.診療室環境の清浄度管理指標作成のための基礎実験 ATPによる拭き取り検査の基準を設定するためには、既知のATP濃度試薬をサンプル試料として使用し、様々な試料採取方法、すなわち拭き取り方法を行い、その結果の再現性のある方法を確立することが重要である。そこで、拭き取り検査部位、拭き取り検査面積(範囲)、拭き取り圧、拭き取り回数、拭き取り方向などを検討した結果、拭き取り検査面積、回数が試料採取には影響を及ぼすが、拭き取り圧について影響を及ぼさないことが認められた。そこで、予め測定箇所を決定し、常に一定面積を拭き取る事が本検査法中の試料の調整においては、最重要と考えられた。また、微生物用ATP抽出用試薬の処理時間と、発光量測定までの時間を一定にすることが、試料採取後の発光操作上での留意点と考えられる結果であった。本年度は、科学的に再現性のある拭き取り検査法を確立することを主たる目的とし、一般診療室環境の汚染度のモニタリングを続行する。
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