1997 Fiscal Year Annual Research Report
電荷リレーを誘起する脱炭酸触媒抗体の作成と新しい反応系の開発
Project/Area Number |
09877420
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
春名 光昌 名城大学, 薬学部, 助教授 (10076755)
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Keywords | catalytic antibody / 触媒抗体 / 脱炭酸反応 / 抗体酵素 / 人工酵素 / 人工蛋白 / 抗体工学 |
Research Abstract |
オルトおよびメタ置換ニトロおよびアミノ安息香酸誘導体をハプテンとして種々の電荷リレーの方向性を有する触媒抗体の作成と種々の基質に対する反応性を検討した。次いでバイオセンサー(BIAcore)を用いハプテンに対する抗体の速度論的解析を行い、最も有効な抗体を用い新しい脱炭酸反応について検討した。以下に、各検討結果をまとめて示す。 1.オルトニトロ安息香酸誘導体より誘導した抗体群より、2-carboxycyclohexane(基質)の脱炭酸反応を効率よく触媒する抗体c-13(k_<cat>=2.60×10^3)を得ることが出来た。本抗体は、メタニトロ安息香酸誘導体より得られた抗体a-22に比較して基質を顕著に脱炭酸反応を触媒し、さらに基質のメチルエステル体においても反応が進行する(k_<cat>=78.2)し、トレーサー実験で抗体がラベル化される事から、抗体の触媒活性部位において基質分子との間に電荷リレーが誘起されているものと考えられる。 2.抗体c-13およびa-22の各ハプテンに対する結合・解離反応を、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサー(BIAcore)を用いて速度論的に解析を行い、抗体のハプテン認識における親和力(K_<aff9>ΔRU)と基質反応性との間に非常に良い相関があることを証明した。 3.新しい脱炭酸反応の開発を目指し、別々のハプテンより誘導した抗体c-13およびa-22を用いて、trans-およびcis-mesyloxycyclohexyl carboxylic acidに対する反応性を検討した。これらの抗体は、いずれの基質に対しても有効に反応を触媒することが明らかとなった。また上記抗体の反応活性の差は、バイオセンサーを用いる事により、抗体の各ハプテンの親和力の差とほぼ一致することが明らかとなった。
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