1998 Fiscal Year Annual Research Report
強力なH_3-アゴニスト活性を持つ新規イミダゾールC-ヌクレオシドの設計と合成
Project/Area Number |
09877421
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
春沢 信哉 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (90167601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
栗原 拓史 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (90067281)
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Keywords | ヒスタミン / H_3 / レセプター / アゴニスト / アンタゴニスト / イミダゾール / C-ヌクレオシド / コンホメーション |
Research Abstract |
ヒスタミンH_3アゴニストは、現在新しい作用機序を持つ気管支喘息の治療剤に、またアンタゴニストは、アルツハイマー病などの抗痴呆薬として期待されている。しかし、その創薬研究は、欧米で活発に行われているものの我が国では全く実施されていない状態であった。こうした中、我々は、H_<3->リガンドの立体構造と作用発現の関係が未だ解明されていないことに着目し、新規5'-アミノ-イミダゾールC-ヌクレオシドを想定し、その生理作用を期待した。我々は、最初にこれらの化合物の合成法を種々検討したところ、PhSe基を活用した新規C-ヌクレオシドの合成法を開発することに成功し、4つの可能な異性体の合成を達成した。これらの化合物は、大阪大学医学部、大和谷厚教授らにより脳微小透析法によってin vivoでの薬理実験が行われたところ,興味深いことにこれらのうち(+)-4(5)-[(2R,5R)-5-(aminomethyl)tetrahydrofuran-2-yl]imidazole(イミフラミン)のみが顕著なH_3アゴニスト活性を示した。その作用は、既存のH_3アゴニスト、イメピップに相当する強力なもので、H_3アンタゴニストのクロベンプロピットとも完全に拮抗したことから、その作用発現はH_3レセプターを介したものであることを強く支持した。これらの成果は、TetrahedronLettersに速報し、すでにin pressの段階にある(TL-9812-865)。この新規合成法は、さらに鍵中間体の酸化反応によりイミフラミンの構造活性相関に必要な5'-amino-2',3'-didehydro-2',3'-dideoxyimidazole C-nucleosideの4異性体の合成に拡張することが出来た。さらに我々が以前報告したフラン化合物の新規合成法により4(5)-(5-aminomethylfuran-2-yl)-1H-imidazoleも合成した。これらの化合物のヒスタミンH_3レセプターに対するin vivo,in vitroの薬理実験は、協同研究者によって現在進められている。
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