1997 Fiscal Year Annual Research Report
強いATPの血清アルブミンへの吸着の生理的意義は何か
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09877422
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 教授 (10001976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 正二 北海道大学, 薬学部, 講師 (30202352)
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Keywords | ATP / BSA / nucleotideの結合阻害 / リン酸の結合阻害 / ワルファリン / Clイオンの結合 / 脂肪酸 / Scatchardプロット |
Research Abstract |
申請時の予備実験の結果であるATPがアルブミンに結合することを確かめ、その結合を限外ろ過法およびNMRによって詳細に調べた.結合はpH依存的であった.Scatchardプロットにより、pH5.4,6.4および7.4で、解離定数はそれぞれ13,40および120μMであった.pH8.4では結合しなかった.ATP:アルブミンの結合比はすべてのpHで1:1であった.アルブミンの2量体にはATPは結合しなかった.この解離定数は^<31>P-NMRの化学シフトから求められた値と良く一致した.アデノシンは結合を阻害しなかったが、GTP、dCTP、ADP、UTP、AMP、リン酸およびピロリン酸の阻害定数は、それぞれ、25,32,36,50,130,1000および186μMであった.ラウリン酸やパルミチン酸のような脂肪酸はATPの結合を妨害しなかった.ワルファリンは結合を非拮抗阻害した.C1^<-1>は拮抗阻害し、その阻害定数は20mMであり、その値はClのBSAに対する第2結合部位に近いので、ATPはClの第2結合部位に結合すると結論した. ATP結合の温度依存性から、pH7.4で結合に伴うΔH=-11.3kcal/mol、ΔS=-20.1cal/K/mol、ΔG=-5.31kcal/molであった.また、滴定型熱量計で直接測定したΔHと極めてよい一致を示した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Takeda, 他3名: "Adenosine 5′-triphosphate binding to bovine serum albumin" Biophys.Chem.69. 175-183 (1997)
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[Publications] S.Kurosawa, 他3名: "Dose response of solid phase radioimmunoassay to human IgG onto plasma-polymerized films coated with F(ab′)2 anti-human IgG antibody" Materials Sci.& Engineering. C4. 291-296 (1997)
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[Publications] S.Kurosawa, 他2名: "Detection of mutagenic polycyclic compounds using quartz crystal micro-balance coated with plasma-polymerized phthalocyanine derivatives" Anal.Chim.Acta. 337. 1-3 (1997)