1997 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー転移FRETを用いた2つのタンパク質間の相互作用の測定
Project/Area Number |
09877431
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 拓 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30217971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 等 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10183039)
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Keywords | CLCP Cl^-チャネル / 2-ハイブリッド法 / βアドレナリン受容体 / 蛍光共鳴エネルギー転移 / Green Fluerescent Protein(GFP) / Blue Fluerescent Protein(BFP) |
Research Abstract |
野生型Green Fluorescent Protein(GFP)GFPは488nmで励起され、507nmで蛍光を発する。また、いくつかのアミノ酸を変えることによって380nmで励起され、440nmの蛍光波長を持つBFPも作製されている。BFPの蛍光波長(440nm)がGFPの励起波長(488nm)に近いため、BFPを励起すると蛍光エネルギーがBFPからGFPに移り、結果としてGFP由来の507nmの蛍光波長を発する。 我々は酵母の2-ハイブリッド法を用い、β2アドレナリン受容体(β2受容体)のカルボキシ末端と相互作用するCl^-チャネルをコードするCLCPをクローニングした。細胞内でのβ2受容体とCLCPとの相互作用を調べるためにBFPとGFPとの蛍光エネルギー転移を利用することを計画した。はじめにβ2受容体およびCLCPの局在を、GFPを付加させた融合タンパク質として発現させ調べた。CLCPのアミノ末端、カルボキシ末端にGFPを付加した場合、いずれも細胞内の小胞と細胞膜に発現し、さらに発現レベルが高くなると核にも発現することが明らかとなった。β2受容体はカルボキシ末端に付加させた場合、予想されたように細胞膜に発現した。これに対し、アミノ末端に付加させた場合、細胞内に均一に分布して受容体に特徴的な細胞膜への局在は観察されなかった。 次に、β2受容体のカルボキシ末端にBFPを付加させた融合タンパク質を作製し、蛍光共鳴エネルギー転移の準備を終えた。β2のカルボキシ末端にGFPまたはBFPを付加させたβ2-GFPとβ2-BFP、CLCPのカルボキシ末端またはアミノ末端にGFPを付加させたCLCP-GFPとGFP-CLCPの合計4種を作製した。今後β2-GFPとβ2-BFP、β2-BFPとCLCP-GFPまたはGFP-CLCPとの相互作用を検討する予定である。
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