1997 Fiscal Year Annual Research Report
入院児童生徒の為のマルチメディアコミュニケーションネットワークと院内教育の新形態
Project/Area Number |
09877447
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山上 浩志 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20260573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 信邦 信州大学, 医学部, 助手 (60281044)
大江 和彦 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (40221121)
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Keywords | 院内学級 / 病弱児教育 / マルチメディア / コミュニケーション / 入院児 / 自宅療養児 / インターネット / ISDN |
Research Abstract |
[方法]院内学級と入院児の前籍校(X)/自宅療養児家庭(Y)/他の院内学級(Z)との間で、PC、TV電話機、インターネット、公衆電話回線 (アナログ及びINSネット64)を利用したマルチメディアコミュニケーションを実践し、その有効性を明らかにした。実験は、院内学級2ヶ所(信州大学附属病院、東京大学附属病院)、前籍校1ヶ所(長野;中2)、自宅療養児家庭2ヶ所(長野;小3、東京;高1)をフィールドに行なった。 [結果(交信記録)](X)ライブビデオ交信50分(/2月・2回)、メール交換118通(/2月) (Y)ライブビデオ315分(/2月・15回)、メール74通(/4月) (Z)ライブビデオ260分(/2.5月・14回)、メール57通(/4月) [考察](X)遠方入院児の場合、前籍校クラスメートや担任の頻回な面会は現実に困難で、手紙等のやり取りも隔週単位になっていたが、電子メールにより100km離れた前籍校と日々の対話が実現した。電子メールはベッドサイドで利用でき、体調変動の大きな入院児であっても定常的なコミュニケーションが可能である。 (Y)院内学級とのライブビデオ交信は、自宅に一人療養する児童・生徒のストレスや不安の軽減に効果があり、同時に、入院児側にも退院生活への希望と励みを与える。 (Z)院内学級教員と言っても病弱児教育の経験は皆無に近く、指導上の悩み等を相談のできる仲間が身近にいないこと、又、専門科目教員の配置が困難な実情の中で、電子メール交換やAET遠隔授業の試みは大いに有効であった。この様に、電子メールとライブビデオ交信は病院内教育の現場では必需な道具であり、早急な環境整備が強く望まれる。今回用いたシステムは実用になり得ると評価を得たが、一方で、教員のコンピュータ操作・指導能力、児童・生徒へのキーボード操作(ローマ字入力)訓練、教員の負担増など、幾つかの課題も明らかになった。
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