1998 Fiscal Year Annual Research Report
ESR-CT用スピントレーサーの開発および臓器の機能測定への応用
Project/Area Number |
09877458
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
風間 舜介 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90046277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 寿 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学科, 助教授 (90046300)
谷澤 久之 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (60117778)
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Keywords | in vivo ESR / ESRイメージング / ESR-CT / 高分子糖 / スピントレーサー / デキストラン / 臓器障害 |
Research Abstract |
本研究課題について以下に示す結果を得た. 〔実験〕 1. 生体安全性の高いin vivo測定用ラジカルを開発するために,ヒドロキシエチルスターチ及びデキトランに安定ラジカルを化学結合させ,高分子糖スピントレーサーを合成した. 2. 高分子糖スピントレーサーをマウスに投与し,X-band ESRおよびL-band ESRを用いてマウス体内におけるラジカル寿命を測定した. 3. 生体組織または臓器におけるスピントレーサーの集積性を検討するためにESR-CTの測定を行い,マウス臓器における分布画像の経時変化を追跡した. 4. 肝臓障害,腎臓障害及び皮膚癌を発症させたモデルマウスを用い,臓器または癌組織のラジカル分布を測定,正常マウスと比較した. 5. ESR-CT法を臓器機能の測定に応用するために,分子量の異なる高分子糖スピンプローブを合成. 肝臓障害マウスおよび腎臓障害マウスに投与し,正常マウスと比較した. 〔結果〕 1. デキストランを予め投与し肝臓RES系を飽和させたマウスは,高分子糖ラジカルのクリアランスが顕著に増大した. 2. 肝臓障害発症マウスにおける高分子糖ラジカルの血中クリアランスは,正常マウスに比較し,著しく増大した. 3. 肝臓障害発症マウスにおける肝臓部位のESR-CT画像の時間変化は,肝臓内の部位によるラジカル消去能の差が明白に現れた. 4. 癌の進行度と血中クリアランスには相関性があり,癌の進行が進むにつれて体内のラジカル消去速度は遅くなった. 5. 肝臓障害マウスと腎臓障害マウスにおいて,分子量4万及び10万の2種類のデキストランスピンプローブの動態は,肝臓,腎臓の機能障害による分子量の差異が明白に現れることが分かった.
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[Publications] 斎藤貴江子,吉岡 寿,風間舜介,谷澤久之 他: "各種スピンプローブの癌組織への移行とESRイメージングによる映像化" 磁気共鳴と医学. 10. 143-147 (1999)
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[Publications] 風間舜介,高重 剛,谷澤久之,吉岡 寿 他: "時空間ESR-CT法による高分子糖スピンラベルのマウス体内分布" 磁気共鳴と医学. 8. 91-94 (1997)
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[Publications] K.Saito,H.Yoshioka N.Ito,S.Kazama et al.: "Spatiotemporal ESR-CT Study on the Metabolism of Spin-labeled Polysaccharide in a Mouse" Biol.Pharm.Bull.20. 904-909 (1997)