1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877459
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
瀬戸 淑子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80051332)
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Keywords | 経口インスリン / 速効性インスリン / アミノ酸誘導体 / A-4166 |
Research Abstract |
[研究目的]糖尿病では、持続的高血糖による血管障害性合併症が最大問題で、厳密な日常的血糖コントロール、特に食後過血糖の改善が重視される。この様な観点から速効性治療薬の開発がなされ、本研究者らは速効・短時間作用型経口糖尿病薬(A-4166)を開発し、治療成績がよいと云われている。一方、インスリン依存性糖尿病(IDDM)患者のためにも速効型インスリン(Ins)製剤が開発されたが、これは作用の点で不十分であったため、最近、超速効型Insも開発された。しかし、毎食事前に行うInsの自己注射が患者に与える苦痛はもう1つの問題点である。本研究は、A-4166の発見がPAS-Naを活性リード化合物とするIns腸管吸収促進物質探索研究に端を発しているので、A-4166関連化合物の速効性+Ins腸管吸収促進作用を期待し、この観点からA-4166とその周辺化合物を再検討し、超速効性経口Ins製剤創製の基礎とすることを目標とした。 [成果]先ず、リード化合物にはN-(trans-isopropylcyclohexylcarbonyl)-D-phenylalanine(A-4166)を、Ins.製剤には比較的作用の早いHumalin Rを用い、マウスは正常とEMC-DK27ウイルス誘導IDDMのDBA/2を用いた。第一段評価はA-4166(po)とIns(sc)を種々の条件で併用投与し、血糖降下と血中Insレベルの関連性を検討した。以上の結果、A-4166はある濃度で外因性Insの作用を強め、且つIns作用遷延を抑制する傾向が示唆された。しかし、PAS-Naの様なIns経口投与を可能にする作用は認められなかった。今後、A-4166とその立体異性体間の作用の比較を行い超速効性経口Ins製剤創製に適した活性体検索を引き続き行い、新薬創製の基礎とする所存である。
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