1998 Fiscal Year Annual Research Report
新人助産婦における助産技術学習課程の研究-状況的・認知論的観点から-
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09877480
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
滝沢 美津子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (50257268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 清孝 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (90146316)
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Research Abstract |
1. 参加観察法と半構成的面接によりデータ収集を行った。 1) 平成9年度と同様のフィールドで、看護大学の4年生で助産課程を専攻している6名の学生と、その学生に対応している6名の学生指導助産婦(MENTOR助産婦)を対象に、分娩室における助産技術学の実習中のやり取りや関わりの場面を、参加観察した。 2) その際、各々にマイクロコーダーを携帯してもらい、実習中のやり取りの場面を録音した。平成9年度の調査結果からMENTORが学習者である助産学生にとって、実践共同体としての場において保護する、援助を与える、新たな体験をさせる等の点で、重要な役割を持つことが示唆された。そのため観察は主としてMENTORに向けられた。また参加観察の時期であるが、平成9年度のデータ分析からの示唆を参考に実習期間の前半に主に行った。 3) 1)と2)の調査対象で看護大学の4年生に対して夏期5週間の集中実習終了後に以下の観点から個別的に半構成的面接を行った。・実習中、印象に残った場面や出来事について・大学の授業で学習した事と実習の場で学習したことの差異について・助産計画をたてることについて・実習中に関わりを持った人々との人間関係について・実習開始前と終了後における自分の変化についてである。これは平成9年度のデータ分析から示唆された内容を確認するためとさらなるデータ集積の目的で平成10年度も同様に実施した。 2. 1.で得られたデータの一部を分析した。 インタビュー内容の質的分析から次の4つのテーマが抽出された。1)学習としての場への参加 2)授業学習についての信念体系 3)学習資源としての臨床指導助産婦(MENTOR) 4)助産婦としてのアイデンティティ 以上、前年度の結果から得られた知見より、データ収集と分析の方法にさらに改善や検討を要することが示され今年度の新たな課題となった。 (本研究は平成11年8月 第30回日本看護学会看護教育、平成11年8月 日本教育心理学会での発表を予定している。)
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