1997 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツボランティアを活用した障害者スポーツ経営システムの構築
Project/Area Number |
09878018
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武隈 晃 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (90171628)
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Keywords | 障害者スポーツ経営 / スポーツボランティア / ボランティア組織 |
Research Abstract |
1.障害者スポーツボランティアの行動原理について,面接調査を踏まえた質問紙調査を行った結果,次の4点を確認した。(1)スポーツボランティアの一般的契機は,「社会的連関」「スポーツ組織へのロイヤルティ」「職場へのロイヤルティ」「専門的能力の開示」「互酬性」の5因子によって説明される。(2)スポーツボランティアの一般的誘意性(非物質的インセンティブ)は「社会的自己実現」「社会的交流」「謝意」の3因子によって説明される。(3)スポーツボランティアの「継続意欲」や「活動についての価値意識」を強く規定する要因として,「社会的交流」および「社会的自己実現」という誘意性に関わる因子が確認された。同時に一般的契機としての「互酬性」や「活動上の不安」が継続意欲や価値意識を低減させる要因として位置づけられた。(4)障害者スポーツボランティアにおいては他のスポーツボランティアに比べて,総じて「誘意性」が低く,活動の継続を阻害している。 2.障害者スポーツボランティアの組織化および組織のネットワーク化の促進要因について,面接調査および質問紙調査によって次の3点を確認した。(1)他のスポーツボランティアに比べ,その組織化には「社会的価値」に関わる意識がプラスに働く。(2)組織がボランティア主体にもたらす「誘因」および「情報提供性」は組織化を促進する重要な要因として理解される。(3)組織のネットワーク化の促進要因については「状況認知の類似性」にその可能性が示唆されたが,一般的促進要因を特定するには至らなかった。
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