1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878029
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
比屋根 哲 岩手大学, 農学部, 助教授 (90218743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 康彦 森林総合研究所, 東北支所, 主任研究官
関岡 東生 東京農業大学, 農学部, 助手 (00287450)
國崎 貴嗣 岩手大学, 農学部, 助手 (00292178)
山本 信次 岩手大学, 農学部, 助手 (80292176)
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Keywords | 大学演習林 / 森林教育 / エレメント想起法 / 林間学校 / 樹木探索活動 / 教育効果 / 小学生 |
Research Abstract |
平成9年度は、岩手大学農学部附属滝沢演習林内に0.1ha(40m×25m)の調査区を設定し、直径・樹高・樹木位置等の詳細な林分調査を行った。その後、演習林に隣接する小学校の5年生(3クラス全員)を対象に樹木の測定作業や気に入った樹木を選ぶ樹木コンテスト等の森林教育イベントを開催した。その際にイベント実施前と後に森林という言葉からイメージする別の言葉を記入させる、エレメント想起法によるアンケート調査を実施した。 これとは別に盛岡市内の5つの小学校(5年生)を対象に、林間学校の事前・事後において先と同様のエレメント想起法によるアンケート調査を実施し、林間学校プログラムにある「樹木探索活動」の森林教育としての効果の計測を試みた。 以上の調査の結果、小学生は森林内で行うイベントを経験することで、森林に対するイメージが大きく広がるとともに、多くの生徒が森林に対してプラスの評価を持つように変化する傾向が伺われた。また、林間学校における樹木探索活動については、事後の調査で樹種名を覚えるという短期的な教育効果は認められたが、その記憶は持続性に乏しいことがわかった。 以上の結果、小学生に対する森林教育は単発的なイベントではその効果は薄く、今後は低学年から高学年に向けての野外教育を含む系統的な教育プログラムが必要なように考えられた。 この他、本年度は森林教育に関する各地の実施例等の資料集を行った。
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[Publications] 比屋根哲・大石康彦: "新しい森林・林業教育の試み-「森を測る」イベントの事例-" 日本環境教育学会 第8回大会 研究発表要旨集. 138-138 (1997)
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[Publications] 長水崇・比屋根哲・大石康彦: "林業技術者と住民の樹木に対する評価の相違-小型ビデオカメラを用いた被験者の選木行動の分析-" 日本環境教育学会 第8回大会 研究発表要旨集. 139-139 (1997)
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[Publications] 大石康彦・比屋根哲: "インタープリテーションの有無による森林体験内容の違い-小型ビデオカメラを用いた林内視覚体験内容の検討-" 日本環境教育学会 第8回大会 研究発表要旨集. 143-143 (1997)
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[Publications] 比屋根・大石・山本・國崎 他: "森を調べる50の方法" 日本林業技術協会編 (東京書籍), 239 (1998)