1997 Fiscal Year Annual Research Report
重度言語障害児のためのパーソナルコンピュータ用会話エイドシステムのモデル開発
Project/Area Number |
09878036
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小島 哲也 信州大学, 教育学部, 助教授 (80153534)
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Keywords | 言語障害 / パーソナルコンピュータ / 会話エイド / 補助代替コミュニケーション / ソフトウェア |
Research Abstract |
本研究の目的は、小島らが開発を進めてきたMacintosh用ソフトウェア (PICOT) を基本にして、重度言語障害児(者)の補助コミュニケーション機器として利用可能なパーソナルコンピュータ用会話エイドのモデルシステムを開発することにある。本年度は、予定した開発課題((1)入力操作環境の柔軟性の改善のためのソフトウェア開発と評価;(2)汎用性の向上のための補助ソフトウェアの開発)の内の主として(1)について研究を実施し、以下のような成果を得た。 1.走査選択入力対応の会話エイドソフトウェアの開発 これまでPICOT(Ver.1.1)の入力はマウスやタッチパネル等の標準機器による直接選択が基本であった。そこで、直接選択が困難な重度肢体不自由児(脳性マヒ児など)にも容易に操作可能な走査選択(スキャニング)入力に対応でき、特殊な外部入力機器を接続することなくPICOTの会話エイドとしての機能を利用できるように、ソフトウェアレベルで改良を施したPICOT(Ver.2.0)を開発した。 *この結果は日本特殊教育学会第36回大会(平成10年9月,文教大学)で発表予定 2.PICOTの入力操作環境と音声フィードバック機能に関する実験的評価 上述の新版PICOT(Ver.2.0)の2つの主要機能(走査選択入力と音声フィードバック)について、健常小学生を対象に語順再生課題を用いた心理学的実験による評価を行った。語順再生の成績や誤反応分析の結果、走査選択入力は直接選択入力に比べて身体的/認知的な負荷が高いこと、音声フィードバックは(低学年児童で)語再認や語順再生に促進的効果をもつことが示された。 *この結果は第24回日本聴能言語学会(平成10年6月、松本)で発表予定
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