1997 Fiscal Year Annual Research Report
英語聴解テストと最適聴取レベルの測定値の相関関係及び聴取レベルの日英語間比較研究
Project/Area Number |
09878038
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中山 和男 山形大学, 教育学部, 助教授 (10180431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 かおる 山形大学, 人文学部, 助教授 (00227620)
中西 達也 山形大学, 教育学部, 助教授 (10217771)
山口 常夫 山形大学, 教育学部, 助教授 (80146745)
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Keywords | 最適聴取レベル / 快適音レベル / リスニングテスト / 不快音レベル / 相関関係 / 聴取特性 / 放送規格 |
Research Abstract |
関連文献の収集を行った。音響学的な論文とリスニング関係の論文が中心である。音響学的な論文では,MCLなど聴感覚に関する文献と室の条件や音響的条件に関する論文である。興味深いのは,室内にスピーカ1個だけでは受聴位置により日本語及び英語の受聴明瞭度に有意差が生じるが,適当な個数のスピーカを適切に位置すると,その差を有意差未満にすることができるという知見である。しかし,この知見中にはスピーカの特性は考慮されていないようである。 NHKに照会し,外国語放送と日本語放送の出力について調べた。その結果,海外から送信されてくる放送は何も手を加えず,そのまま出力し,副音声については6dB出力を低くしていることが判った。したがって,理論上は6dB出力を上げることにより,主音声と同一の出力が得られることになる。 国立の研究期間に所属する研究協力者との打ち合わせを3回行い,次のような実験計画を立てた。 あらかじめ,聞いた内容について試験を行うことを被験者に教示し, (1)日本人英語学習者にいくつかの日本語の文章を呈示し,受聴音圧を測定する。。 (2)日本人英語学習者にいくつかの英語の文章を呈示し,受聴音圧を測定する。 ここで,日本語と英語の文章はカウンターバランスして呈示する。 さらに可能であれば,英語を母語とする日本語学習に対し,同様の実験を行う。刺激のレベル差の大きな素材は避けるべきである。 騒音計による計測で,昼間では騒音レベルが50dB以下の教室を探すことは非常に困難であることが判り,実験では無教室またはスタジオを使用する予定である。実験では,騒音計は三脚により固定するが,実験で使用するスピーカの特性については,さらに検討が必要である。また被験者が設定したレベルを知らせることなく,被験者が受聴レベルを変えることができるように実験装置をできるだけ簡便な方法で設計する。
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[Publications] Imaizumi,S., Nakayama,K., Kiritani,S., Deguchi,T., Hosoi,H., Shimura,Y.: "Mental Representation of L2 Speech Sounds" Proceedings of American Speech-Hearing Association (ASHA) Meeting. (1997)
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[Publications] 中山和男, 冨田かおる, 中西達也, 山口常夫: "発話長と調音速度が英語のリスニングに及ぼす影響" 語学ラボラトリ-学会(LLA)第37回全国研究大会発表論文集. 56-59 (1997)
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[Publications] 中山和男: "日本人学習者に対する英語の強調処理による受聴明瞭度の改善" 日本音響学会平成10年度春季研究発表会講演論文集. I. 381-382 (1998)
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[Publications] Imaizumi,S., Nakayama,K., Mori,K., Kiritani,S., Deguchi,T., Seki,H.: "Plasticity in Neural and Mental Representations of Non-Native Phonemes" Proceedings of ESCA Workshop on Speech Technology in Language Learning. (1998)
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[Publications] Nakayama,K., Tomita-Nakayama,K., Misaki,M., Kiritani,S.: "Enhancing Speech Perception of Japanese Learners of English Utilizing Time-Scale Modification of Speech and Related Techniques" Proceedings of ESCA Workshop on Speech Technology in Language Learning. (1998)
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[Publications] 冨田かおる: "英語音声理解に及ぼす発語速度の影響" 河野守夫教授退官記念論文集. (1998)