1998 Fiscal Year Annual Research Report
英語聴解テストと最適聴取レベルの測定値の相関関係及び聴取レベルの日英語間比較研究
Project/Area Number |
09878038
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中山 和男 山形大学, 教育学部, 助教授 (10180431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 照久 大学入試センター, 特別試験研究部門, 助手 (10280538)
冨田 かおる 山形大学, 人文学部, 助教授 (00227620)
中西 達也 山形大学, 教育学部, 助教授 (10217771)
山口 常夫 山形大学, 教育学部, 助教授 (80146745)
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Keywords | リスニング / 受聴音量 / 最小可聴値 / 最適聴取レベル |
Research Abstract |
今年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果の概要は次の通りである。 I. 日本人英語学習者が英語を聴くとき,日本語を聴くときよりも大きな音量を必要とするか さきに,研究代表者らが開発したPCによるリスニングの自動測定法により,英語の文や単語をヘッドフォンから両耳に呈示し,最適聴取レベル,最小可聴値の測定を行った。その結果,日本語を聴取するときよりも英語を聴取するときの方がより大きな音量を必要とする傾向が観察された。ただし,このときの音量は最適聴取レベルとはかならずしも一致しないことが分かった。より厳密には,オージオメーターによる測定が必要である。 II. リスニングの成績のよい被験者より,良くない被験者の方が大きな音量を必要とするか Iで使用した測定法によりリスニングの測定を行い,成績上位群と下位群とでリスニングに必要とする音量を解析した。被験者数が上位群7名,下位群3名であったので,結果の一般化はできなかった。今後,被験者を増やす必要がある。また,ヘッドフォン受聴とスピーカ受聴では被験者が必要とする音量に相違が観察されるかどうかについては,今後の研究課題である。 する予定である。 III. 音源(言語材料)は受聴音量に影響を及ぼすか しゃべり(spontaneous speech)と読み(read-out speech)の音声的差異が受聴音量に影響を及ぼすことが考えられるため,両者の音声学的検討を行った。 IV. メディアに依存した音量(相対値)ではなく,受聴音圧レベルなどの絶対値での測定は可能か 受聴音量を[dB]に変換して表現することが可能であることが分かった。
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[Publications] 中山和男,冨田かおる: "The importance of the first syllable in English spoken word recognition by adult Japanese speakers" 5th International Conference on Spoken Language Processing. 6. 2659-2662 (1998)
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[Publications] 中山和男,ほか: "日本人学習者に対する英語の語頭強調処理による受聴明瞭度の改善" 日本音響学会平成10年度春季研究発表会講演論文集. I. 381-382 (1998)
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[Publications] 中山和男,冨田かおる,ほか: "英語における文レベルの実時間処理を補償する時間軸伸長の効果-刺激長との関係-" 日本音響学会平成10年度秋季研究発表会講演論文集. 1. 397-398 (1998)
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[Publications] 中山和男: "文と単語の聞き取りについての実験研究" 英語教育研究. 14. (1999)
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[Publications] 冨田かおる: "音声英語理解に及ぼす発話速度の影響" ことばの心理と学習 河野守夫教授退職記念論文集. 93-102 (1998)
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[Publications] 冨田かおる: "即興スピーチと原稿読みの時間的変異の特徴" 山形大学紀要(人文科学). 14. 111-124 (1999)