1997 Fiscal Year Annual Research Report
定住外国人への日本語教育の組織度とその言語使用におけるクレオール化の研究
Project/Area Number |
09878052
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
志賀 幹郎 電気通信大学, 留学生センター, 講師 (70272747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 ゆう子 電気通信大学, 留学生センター, 講師 (40282925)
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Keywords | 日本語教育 / クレオール / 定住外国人 / ノンフォーマル教育 / 中国帰国者 / 日系人 |
Research Abstract |
都内の中国帰国者の日本語教室、日系人の多い豊橋市の日本語教室、国際結婚の女性の多い秋田県の日本語教室等の見学・調査を行った。授業に参加し、メンバーの声をきくことで、日本語教室の現状の機能と可能性について、ある程度見通しを得た。 ノンフォーマルな日本語教室は、現状の機能としては、「ボランティア教室」と言われるような広い援助の場として存在し、その下位機能として日本語の修得のための教育の場、国際交流の場、居場所としての空間等々、様々な要素が引き受けられている。組織としての性格は、時間的にも参加者的にも限定されているという制約が大きく、そのため「地域的」ではなく局所的で濃密な空間となっている。その濃密さは、一方では教師側の仕事量の多さと、教師側・学習者側双方の達成に関する不全感となっているが、一方ではこたえられないコミュニケーションの場となっている。 今後、日本語教室の可能性を論じるに際し、以上のような把握から、ノンフォーマルな教育実践の内部的改革(実践面での「どうすれば」「こうすれば」に応えるかたちの論。現在の主流)についてではなく、フォーマルな教育及び社会の空気としてのインフォーマルな教育を含めた組織の整備について追求する。原則論ではなく、「こたえられないコミュニケーション」の内実を、録画・録音し現在分析中の資料から解明し、アピールしたい。また、購入した文献資料等で、ヨーロッパ諸国の状況も参考にできる段階にあるので、比較しつつ論じたい。
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