1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878072
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
田口 友康 甲南大学, 理学部, 教授 (30140388)
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Keywords | 視覚特性 / 間隔距離 / 可変幅字送り |
Research Abstract |
横書きおよび縦書きの可変幅字送りを巧みに実現するためには、種々の文字を配列したときの文字間隔が主観的にどのように見えるかという視覚特性を知る必要がある。本年度はそのための基礎的実験として、横書きの場合でかつ文字の代わりに単純な図形(正方形、円、その他の幾何学図形)を用い、「図形の横方向配置における心理的等間隔」という問題設定の下で幾つかの心理実験を行った。以下に-実験の概略を記す。 1辺が2cmの二つの正方形(黒塗り潰し)を間隔a=1cmで配置した「参照図形」に対して、同一の大きさの一つの正方形と直径2cm一つの円(同じく黒塗り潰し)を間隔xcmで配置した「目的図形」を比較して、目的図形の中の間隔が参照図形の中の間隔に等しく見えるようなxを求めたところ、xはaより有意に小さいことが分かった。[実験方法:被験者数106人。参照図形(視野の左側)と目的図形(視野の右側)の対を6対(xを6通りに変える)をA4紙1枚に印刷したものを刺激として被験者に提示して選択させる。]さらに、分散分析とクラスタリング手法により、E[x]=0.830(SD=0.04)のグループとE[x]=0.927(SD=0.03)のグループに分かれることが示された。被験者16人を用いて、グラフィック端末を使い調整法により一層詳しい心理実験を行ったところ、やはり同様な結果が得られた。(平成9年度春期情報処理学会全国大会論文集、1Y-06) この実験の発展として、円を半円、菱形などに変えた場合、図形を黒塗り潰しでなく輪郭線(色々な太さのもの)に変えた場合、参照図形と目的図形の左右位置を取り替えた場合、などの実験も行った。
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