1997 Fiscal Year Annual Research Report
耐強磁場へリカル炉用高温/低温複合超電導体の研究・開発
Project/Area Number |
09878094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋爪 秀利 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80198663)
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Keywords | 高温超電導 / ヘリカル炉 |
Research Abstract |
ヘリカル炉の実用化に不可欠な高性能の超電導マグネット用の線材開発のために、高温超電導体の特性と低温超電導体の特性をうまく組み合わせ、傾斜機能的な超電導線材の性能を評価するための解析コードの開発を進めた。 すなわち、超電導体は、電気伝導度が無限大であるため、通常の電磁場解析をそのまま適用することは出来ない。一方、微視的観点から見た第2種超電導体には、いわゆるマイスナー電流が超電導体表面を流れ、フラクソイドが内部に発生している。これらを平均的に取り扱うモデルとして臨界状態モデルがある。そこで、高温超電導体内部に誘起される遮蔽電流をこの臨界状態モデルに磁束クリープモデルを導入して評価した。電磁場解析に関する支配方程式は、導体の存在しない領域で変数を定義する必要のない電流ベクトルポテンシャル法に基づいて導出し、超電導体の電気電導率は、非常に大きな値を初期値として仮定し、反復計算によって値を修正し、電流分布が磁束クリープモデルを含む臨界状態モデルと矛盾の無いようにした。 数値解析の結果、磁束クリープを含む解析では温度上昇の際に超伝導体内を流れる電流密度が、磁束クリープを含まない解析と比較して、低下することが分かり、特に、高磁場下で顕著であることが明らかとなった。
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