1997 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化による動植物相の競合関係の変化に関する実験的研究
Project/Area Number |
09878099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大森 博雄 東京大学, 大学院・理学系・研究科, 教授 (60092160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳町 治 信州短期大学, 教授 (80249193)
八木 義久 東京大学, 大学院・農学生命科学・研究科, 教授 (80191089)
古田 公人 東京大学, 大学院・農学生命科学・研究科, 教授 (80143402)
鈴木 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学・研究科, 教授 (80162931)
大村 纂 東京大学, 大学院・理学系・研究科, 教授 (30282502)
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Keywords | 地球温暖化 / 温暖化効果 / ミニ温室 / 動植物相の変化 / 地生態系 |
Research Abstract |
本研究は、中部山岳乗鞍岳山頂部の高山植生群落条にプラスティック製のミニ温室を設置し、この内外の気温・土壌・水分環境および動植物の成長等を計測・観測し、ミニ温室内外における諸項目の比較・検討を通じて、温室効果を定量的に把握し、地球温暖化の動植物相の競合関係への影響を予測するための実験的研究である。平成9年度は、1)気温、地温、降水量などの観測を行うための観測項目の検討を行うとともに、観測器機類やセンサーの改良、観測方法の検討を行った。特に、湿度センサーは結露のため湿度の正確な把握が困難であり、センサーの改良と設置方法の工夫の必要なことが判明した。2)植生の現存量および生育量、小型動物の生態・生息調査および分布調査のための調査種類・調査項目を検討した。特に、植生の発芽、開花、紅葉、落葉の季節変化の観察と群落領域の変化を経時的に把握するための定時観察と図化の検討をし、計算機プログラムを開発した。3)実験地および周辺地域の土壌および水環境の実態把握のための調査項目の選定と計測機器の検討と行った。特に、乗鞍岳山頂部付近の湖沼の水位の把握が重要であるが、気圧による水位変化の補正方法とそのための機材を決定した。4)実験地におけるミニ温度設置地点、各センサーの設置地点を決定した。本実験地は自然保護特別地域に位置することから、環境庁、営林署、県との折衝を行い、実験許可を取得した。本研究は数年間の観測・測量結果が整って初めて、地球温暖化の影響を検出できる。来年度以降本格的な調査を行う予定である。
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