1997 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド包接結晶に基づくCombinatorial Chemistry
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09878119
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 工学部, 教授 (90029322)
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Keywords | 組合せの化学 / ステロイド / 包接結晶 / 分子情報と表現 / ライブラリー / 水素結合 / 分子集合 / 分子認識 |
Research Abstract |
「有機分子の情報表現」という概念は、タンパク質・核酸などの生体高分子ではすでに使われている。それなのに、一般の有機分子に対して使われていないのはなぜか。その理由は、近年Combinatorial Chemsitryが知られるようになったにもかかわらず、モノマーの配列順序(定序性)という概念が一般の有機分子に適用されていないからだと思われる。しかし、炭素鎖分子で定序性に基づく分子情報と表現の関係が明白にできれば、有機分子の情報表現という概念が一般的に成立することになる。本研究では、ステロイドを用いてこの概念を確立することを目指し、本年度は以下のような成果が得られた。 1.日本語では長編小説でなくとも、俳句や短歌ぐらいで十分に面白い。この字数に相当する定序性炭素鎖分子として、ステロイド誘導体を多数合成した。骨格変換に加えて、側鎖の長さや官能基を変換し、既存の方法で二十以上の誘導体を合成した。 2.これらのステロイド分子による、水素結合による情報表現を検討した。この検討から、分子構造における水素結合基の数・位置・配置の違いが、分子建築、分子複合(包接)、化学反応にに及ぼす影響がかなり明らかになった。 3.各ホストの包接化合物形成能力を調べ、分子認識能を評価した。さらに得られた包接結晶のX線構造解析を大量に行った。その結果、各ホストは、分子構造のごくわずかな違いに基づいて、かなり異なる能力をもつことが明らかになった。 4.上記のホストについて、それらの分子構造と分子集合様式・包接化合物形性能・分子認識能・ゲストの反応などとの相関関係を評価し、これに基づいてステロイド包接結晶とCombinatorial Chemistryとの相関を考察中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Miyata: "Combinatorial Chemistry of Inclusion Compounds by Using Steroids" Molecular Crystals Liquid Crystals. 印刷中. (1998)
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[Publications] 宮田幹二: "分子情報に基づく超分子の構造制御" 日本化学会生体機能関連化学部会NEWS LETTER. 12. 2-4 (1997)
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[Publications] 佐田和己: "パソコンを使った包接結晶のデータベースの構築" 理学電機ジャーナル. 29・1(印刷中). (1998)
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[Publications] 宮田幹二: "原子を用いる情報の創造;包接化合物は物質創成法を語る" 科学と工業. 72・4(印刷中). (1998)
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[Publications] 吉川圭: "コンビナトリアル法による新規ホスト系の構築" Polymer Preprints,Japan. 46・12. 3261-3262 (1997)
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[Publications] 宮田幹二: "分子認識化学-超分子へのアプローチ" 三共出版, 69-98 (1997)