1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能立体構造解析を目指した蛋白質結晶化方法の開発
Project/Area Number |
09878126
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 俊哉 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (30272868)
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Keywords | 結晶化 / 蛋白結晶学 / X線結晶構造解析 / 蛋白構造 |
Research Abstract |
超高分解能でのX線立体構造解析を目指し、その結晶化方法の開発を行った。本年度は蛋白質の精製段階において、その純度と結晶化の間にどのような相関が見られるかに重点を置いて研究を進めた。具体的には、PCB分解代謝系の蛋白質群およびケモカインの一種であるSDFl-αを使用し、その純度と結晶化に与える影響を検討した。その結果、多くの場合において、精製サンプルの純度が上がるにしたがって大きな結晶を得ることが出来た。 BphC酵素の場合、純度を上げることと、および結晶化に用いる母液の量をHanging drop方からBatch方に変えることで増やした事で、大粒の良質な結晶を得ることが出来た。今後、本結晶を用いて放射光実験施設での回折強度測定を行い、分解能の向上が見られるか検討する予定である。さらに、活性中心の鉄イオンの酸化状態のばらつきが、結晶の質に与える影響を検討するため、無酸素的な結晶化操作の立ち上げも行った。 BphD酵素の場合では、蛋白サンプルの純度が低い場合には結晶が双晶になる傾向があったが、更に純度を上げることで大粒の結晶を得ることが出来た。 SDFl-αの場合でも、やはり結晶化に用いるサンプルの純度と、得られる結晶の質の間に相関が見られた。また、結晶化の際の蛋白質濃度の違いにより、非常に多くの結晶型が得られ、その内のあるものは他のものに比べ、著しく分解能が良いということが観察された。良質の結晶の空間群は他のものと変わらないが、格子定数が若干他のものと異なっている。このことは、ほんのわずかな条件の違いで、良質の結晶を得ることが可能であることを示している。 今後は、このような経験的な結果を数値化し、良質の結晶を得るための方法論を開発することを目指す。
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[Publications] Mitsui,Y. & Senda,T.: "Elucidation of the basic three-dimensional structure of TypeI interferons and its functional and evolutionary implications." J.Interferon and Cytokine Res.17. 319-326 (1997)
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[Publications] Nandhagopal,N., Senda,T., Hatta,T., Yamada,A., Masal,E., Fukuda,M. & Mitsui,Y.: "Three-dimensional structure of mlcrobial 2-hydroxy-6-oxo-6-phenylhexa-2,4-dienolc acid(HPDA)hydrolase(BphD enzyme)from Rhodococcus sp.stratin RHAI,In the PCB degradation pathway." Prob.Japan Acad.Series B. 73. 154-157 (1997)