1997 Fiscal Year Annual Research Report
シャベロニンGroELの機能発現機構の新側面の検証
Project/Area Number |
09878146
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河田 康志 鳥取大学, 工学部, 助教授 (40177697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝端 知宏 鳥取大学, 工学部, 助手 (50263489)
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Keywords | シャベロニン / GroEL / 機能発現 |
Research Abstract |
熱ショック蛋白質の一つ,シャベロニン蛋白質GroELはin vitro,in vivoを問わず,オリゴマー酵素・蛋白質をはじめ,様々な蛋白質の立体構造形成反応を助ける機能を有している。この蛋白質の新たな機能的側面を明らかにするため,本年度はその基質結合に関する共通構造モチーフ(α/β構造)を検索するとともに,その代表的なα/β構造をした酵素,トリオースリン酸イソメラーゼの構造安定性について物理化学的な手法を駆使して研究を行った。 1.GroELとの構造形成中間体との相互作用の解析 再生中間体を認識して結合する性質をもつGroELの基質特異性を基質蛋白質の構造特性(二次構造モチーフ)に注目して研究を進めた。αヘリックス構造に富むアスパルターゼとβ構造に富むGroES,α/β構造をとる解糖系酵素トリオースリン酸イソメラーゼを用い,これらの酵素を塩酸グアニジンで変性させ,再生させるときにGroELに安定に補足されるかをゲルろ過クロマトグラフィーとSDS-PAGEを用いて調べた。その結果,トリオースリン酸イソメラーゼが特に強因にGroELに結合することが判明した。 2.トリオースリン酸イソメラーゼの安定性と構造形成反応の特徴付け GroELに強固に認識されるトリオースリン酸イソメラーゼ(分子量5万3千,二量体)の構造安定性,変性再生反応をCDや蛍光装置によって詳細に調べた。その結果,この二量体酵素は変性中間体として一旦単量体を形成し,その単量体がさらに変性していくことが分かった。従って,二状態転移モデルではなく三状態モデルで考慮しなければならないことが判明した。シャベロニンがこの中のどの分子種と強く相互作用するかを今後調べる予定である。
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