1998 Fiscal Year Annual Research Report
線虫を用いたM期開始チェックポイント制御因子群の個体レベルでの解析
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09878167
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡邉 信元 理化学研究所, ジーンバンク室, 先任研究員 (90221689)
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Keywords | 細胞周期 / 分子生物学 / 線虫 / チェックポイント / Cdc2 |
Research Abstract |
〈Weel様タンパク質の強制発現の減数分裂に対する影響の解析〉 平成9年度の研究で単離された2種のWeel様タンパク質(あるいはそのキナーゼ活性変異タンパク質)を,それぞれGFPとの融合タンパク質として,線虫内で強制発現させた.発現させた個体からは対照と同様に子孫が得られ,Weel様タンパク質の強制発現のみでは細胞分裂に顕著な影響を与えないことが明らかになった. 〈線虫サイクリン・Cdc2タンパク質の大量調製〉 平成9年度の研究で,2種の線虫Weel様タンパク質が,ヒトCdc2のT14,Yl5の両者をリン酸化するがTl4,Y15に対して逆の基質親和性を有するという興味深い結果が得られている.この結果が線虫Cdc2(他の生物のCdc2に比べN末が長いなどの特徴を持つ)に対しても同様であるか否かを検討するために,線虫サイクリン・Cdc2タンパク質の大量調製を試みた.しかし,野生型Cdc2,リン酸化される部位に変異を入れたCdc2のバキュロウイルスの系での発現は確認された.その可溶化条件を検討中である. 〈Weelファミリー遺伝子欠損株の解析> 昨年,Tclトランスポゾンの挿入によりWeel様遺伝子の欠損が起こっている線虫変異株を単離を試みたが,欠損が明らかな株の単離には至らなかった.これは,Weel様遺伝子のそれぞれが個体の維持に重要な役割を有するためと考えられた.そこでWeel様遺伝子のアンチセンス遺伝子を導入し特定の条件下で発現させることでこの可能性の確認を試みたが明瞭な結果は得られていない.
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[Publications] Veronique Baldin: "Evidence for a mammalian Niml-like Kinase pathway acting at the G0-1/S transition" Biochem.Biophys.Res.Comm. 236. 130-134 (1997)
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[Publications] Shuichi Kotani: "PKA and MPF-activated Polo-like kinase regulate anaphase-promoting complex activity and mitosis progression." Molecular Cell. 1. 371-380 (1998)
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[Publications] Lijia Yu: "UCN-01 Abrogates G2 Arrest Through A Cdc2-Dependent Pathulay that is associated with inactivation of the WeelHu kinase and activation of Cdc25 Phasphatase" J.Biol.Chem.273. 33455-33464 (1998)
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[Publications] Yoko Kaneko: "Cell cycle-dependent and ATM-independent Expression of Human ChK1 kinase." Oncogene. (印刷中).