1997 Fiscal Year Annual Research Report
変性により退萎した球海綿体筋運動ニューロンにおけるテストステロンの機能維持作用
Project/Area Number |
09878194
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 健治 日本医科大学, 医学部, 助手 (10287716)
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Keywords | 球海綿体脊髄核 / テストステロン / 去勢 |
Research Abstract |
精巣摘除により雄の陰茎勃起機能が減退し、テストステロン投与によってこの機能が回復する事はよく知られている。しかし、テストステロンがどこに働きどのような機構で陰茎勃起機能を維持しているのかは不明な点が多い。腰髄にある球海綿体脊髄核(spinal nucleus of the bulubocavernosus;SNB)は、陰茎勃起を起こす球海綿体筋を神経支配している。本年度の研究では、精巣摘除によりSNBニューロンの形態的変化観察をを目的として研究を行った。ペニス勃起に関与する球海綿体筋及びそれに投射する脊髄運動核ニューロンは、種によって非常に異なる分布を示すことが知られている。ラットではアンドロゲン感受性を持つことが知られ、雄ラットを精巣摘除すると、SNBニューロンの細胞体の大きさ、および樹上突起の長さが減少するが、テストステロンの投与によってそれらが正常雄のレベルに回復し(Breedlove SM et,al.1980 & Kurz EM et,al.1986)、シナプス結合やギャップ結合を修復することが報告されている(Matumoto A.1992)。我々は、雄ウサギを用いHRPを用いて逆行性にSNBニューロンを同定したところ、SNBニューロンはラットのような神経核を形成せず、脊髄前角に散在していることを見いだした。また精巣摘除により細胞体の大きさは有意に減少していた。精巣摘除したウサギを作製し、in vivoの系で球海綿体筋を支配している球海綿体神経ならびに感覚神経である陰茎神経の電気刺激を行い、細胞外および細胞内記録法を用いてSNBニューロンの応答様式ならびに膜特性および活動電位発生様式を解析したところ、球海綿体筋神経の逆行性刺激により測定したの伝導速度には有意な差は認められなっかった。
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