1997 Fiscal Year Annual Research Report
環状酵母人工染色体(YAC)移入による癌抑制遺伝子の同定
Project/Area Number |
09878201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 東北大学, 医学部, 助手 (90192723)
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Keywords | APC遺伝子 / contact inhibition / Cre-lox部位特異的組換え / YAC trasfer / DNA多型性マーカー / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子機能の欠陥によって起こる病態に対し、欠損遺伝子を含む大きなDNA断片を補うことにより病態が修正されることを指標として、疾患の原因遺伝子単離へアプローチするものである。本年度は、系の確立のための予測実験を行なった。胃癌の細胞株MKN28は癌抑制遺伝子であるAPC遺伝子の欠損株で、contact inhibitionが消失しているが、APC遺伝子を含む第5番染色体を移入するとcontact inhibitionが復活する。そこで、APC遺伝子の全長を含むYACの両端にあるベクター部分にlox部位およびネオマイシン耐性遺伝子を相同組換えによって挿入した。次いで、酵母内で働くCre発現ベクターをトランスフェクトし、両端のlox間の組換えにより環状のYACをin vivoで作製した。一方、エレクトロポレーション法によりMKN28にlox部位およびハイグロマイシン遺伝子を含むプラスミドを導入した細胞株(MKN-lox)を作製した。今後、これらの材料をもとにYACの環状DNAとCre発現ベクターを同時にMKN-loxにトランスフェクトし、YAC DNAが細胞内のlox部位に導入されている細胞株を作製し、contact inhibitionを調べ、この系の効率等の検討を加える予定である。また、膵癌における6qおよび12q、子宮体癌における10q、腎臓癌における3pの他に肺癌についてもDNA多型性マーカーを用い、16q24.1-q24.2の910kbに共通欠失領域を同定したので、この領域の癌抑制遺伝子の有無についても本系を用い、解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)