1997 Fiscal Year Annual Research Report
癌予防を目指す関連チトクロムP450検出フォトダイナミック診断法の基礎研究
Project/Area Number |
09878204
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一正 北海道工業大学, 工学部, 教授 (00002006)
岩田 久人 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (10271652)
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
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Keywords | 光ファイバ形センサ装置 / 蛍光測定 / 化学発癌 / チトクロムP-450の誘導 / P450-1A1分子種 / Wistarラット / エトキシレゾルフィン / レゾルフィン |
Research Abstract |
ヒトの癌の多くは化学発癌によるものである。化学発癌は、食物を初めとする環境化学物質がある種のチトクロムP-450を肝臓に誘導し、誘導されたP450が癌原物質を発癌物質へ変化させるイニシエイション過程に関わることが報告されている。すなわち、P-450の誘導が癌発症の前駆現象となっていることが多々ある。本研究は、このような癌原物質を発癌物質へ変化させるP450分子種の誘導状態を把握することを目的としている。癌関連酵素のひとつであるP450-1A1分子種の肝臓での誘導の程度を、その特異的酵素反応(エトキシレゾルフィンからレゾルフィンへの分解反応)を生体内に挿入した光ファイバを用いて検知することにより測定することを直接の目的とした。 レゾルフィンが発する蛍光を高感度に検出する光ファイバ形センサ測定装置を試作した。濃度1〜1000micro Mの範囲で、他の生体物質の発する蛍光波長とは異なる610nm付近で検出可能な装置を作成した。濃度と蛍光強度の対数間に直線性が保たれておりレゾルフィンの定量測定も可能であることが明らかになった。P450-1A分子種を肝臓に誘導したWistarラット(200-250g)をモデル動物として、麻酔下で開腹露出した肝臓表面でのエトキシレゾルフィンからレゾルフィンへの分解反応を、励起波長540nm、蛍光波長〜600nm帯で経時的に追跡した。P450-1Aを誘導したラット肝で強い蛍光発光が観測されるのに対し、非誘導ラットでは僅かな発光が見られるのみであり、ラット肝臓に誘導されたP450-1A分子種の検出が可能であることが明らかになった。 成果が新聞紙上で報道され、学会誌にも投稿中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tasaki,T.et al.: "Expression and characterization of dog CYP2D15 using baculovirus expression system." J.Biochem.123. 162-168 (1998)
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[Publications] Tasaki,T.et al.: "Regio-and stereoselectivity in propranolol metabolism by dog liver microsomes and dog CYP2D15." J.Biochem.(in press). (1998)
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[Publications] Yamamoto,Y.et al.: "Molecular basis of the Dark Agouti rat drug oxidation polymorphism:Involvement of CYP2D1 and CYP2D2." Pharmacogenetics. (in press). (1998)
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[Publications] Maeda,Y.et al.: "Strain differences in testosterone metabolism in Wister and Dark Agouti rats.-A new polymorphism-" Environ.Toxicol.Pharmacol.3. 1-6 (1997)
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[Publications] Ishizuka,M.et al.: "Pathway-selective alteration of imipramine metabolism during regeneration of male rat liver following partial hepatectomy." Xenobiotica. 27. 923-931 (1997)
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[Publications] Yoon,S-J et al.: "Esr and infreared spectroscopic characterization of the toxic radical formed in the liver of the SD rats impaired with CCl_4." Proc.2nd intl.conf.bioradicals and 5th intl.workshop on esr(epr)imaging and in vivo esr spectroscopy. (in press). (1998)