1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安斉 順一 東北大学, 薬学部, 教授 (40159520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 強 東北大学, 薬学部, 教務職員 (50281978)
柏木 良友 東北大学, 薬学部, 助手 (50204384)
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Keywords | 乳酸酸化酵素 / 疲労度 / センサー / 酵素固定化膜 / 電極 / 唾液 |
Research Abstract |
本年度は、疲労度センサーとして機能する乳酸測定用酵素固定化電極の作製を検討した。はじめに、白金電極表面への乳酸酸化酵素(LOx)の固定化方法について検討を行った。吸着法、アルブミン架橋法、アビジン・ビオチン法などを検討し、さらにレクチン(コンカナバリンA、Con A)と糖の結合を利用する新しい方法の確立にも成功した。この方法では、糖(マンノース)で修飾したLOxとCon Aの水溶液に電極を交互に浸すだけの簡便な操作で、LOxとCon Aが単分子層として交互に電極上に累積固定化されることが明らかになった。本法により作製した乳酸測定用電極は、乳酸に対して電流応答を示すことが判明した。これは、LOxが電極表面で触媒活性を保持していることを示している。LOxを固定化する操作の回数を加減することにより、電極表面に固定化されるLOxの量を厳密に制御することが可能であった。この特性は、乳酸を測定する疲労度センサーの性能(特に出力電流値)を任意に制御できることを示しており、非常に有用な知見を得たものと考えている。このセンサーで、唾液中に存在する0.1-0.2mMの乳酸を測定することが可能であった。実際の唾液を測定対象にするには、このセンサーの表面を適切なポリマー材料で被覆して固定化されたLOx層を保護するとともに、測定試料の唾液とLOxが直接接触しないようにすることが必要であるが、いまだ最適なポリマー材料を決定するに至っていない。今後は、ポリマー材料の最適化と、実際の唾液中の乳酸の測定を実施し、疲労度センサーとしての性能を評価する予定である。
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