Research Abstract |
小角散乱X線解析装置を用いたK-IIIの疲労の評価 厚さ約50μmの人工弁材料(K-III)のシートを作成し,空気中でこのシートに100g,150g;300g等の荷重を日常的に(一週間)加えた(慢性疲労実験).また,加速耐久試験装置を用いて,毎秒30Hzの振動を人工弁に水中にて24時間与えた(急性疲労試験).このようにして作成した試料を,小角散乱X線装置を用いて疲労度合いの比較を行った.また,散乱装置の15.4の波長のX線を用い,散乱スリットは,0.1mm,受光スリットは,0.03mmと絞り込んだ.この状態で,シート状の試料に散乱角0.14-1deg.の範囲でX線を照射した.慢性的に疲労をさせたK-IIIの散乱強度(Int)-散乱角(q=2sinΘ/λ)の間には,(Fig1)という関係が成立した.他方,急性実験では,なる関係があることが分かった.これより,慢性的疲労と急性的疲労では,K-IIIの分子疲労の様子が異なり,疲労の様子が2つのグループに分ける事が知られた.しかし,k1対(-3+α)及びk2対(-4+β)のグラフを描くと,これらの点は,Y=6.239X-8.326の直線状にあることが示された.さらに,散乱曲線は,Porod方程式や,Debey関数からずれていることが,判明した. (b)血流流体中におけるJellyfish弁の運動の解析 血液の血管内の流れの解析は本来3次元モデルを考えなくてはならないが,それを実行するには計算機の能力がそれに相応して高いものが必要である.しかし,現実には無理であり本質的な問題は2次式モデルを使っても表現できると考えられる.最初に2次元ナビエ・ストークス方程式をファジ-関数の導入でこの問題の解決を試みた.ナビエ・ストークス方程式は,高度な非線型微分方程式であるために,定型的な解法が存在しない.このために,発見的に流れ関数Ψ(xi,yi)を全微分条件を満たすように定義し,流れ関数Ψ(xi,yi)に,"正解に近い"と思わせる近似解を与え,セルフ・コンシステントに正解に収束させる方法をとった.
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