1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878212
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
根岸 直樹 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30218268)
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Keywords | 皮膚組織 / 表皮角化細胞 / 胸腺因子 / サイモポエチン / IL-7 / ICAM-1 / IFN-γ刺激 |
Research Abstract |
T細胞分化誘導因子サイモポエチンIIの活性サイトTP5(残基32-36)を含むテトラデガペプチド・フラグメントTP14(残基29-42)を抗原として、家兎にてTP14-Myoglobin結合体の抗血清を作製した。次にこの抗血清を精製してサイモポエチンIIの抗体を得た。植皮手術などで採取された余剰皮膚をOCT.Compound中にて凍結し、抗TP抗体を用いた免疫染色よりその発現を検討した。免疫染色法は間接アルカリフォスファターゼ法を採用した。ヒト皮膚は8/1000 inchの厚さで採取し、インターフェロン-γ(IFN-γ)IFN-γ処理は1.000U/ml濃度のIFN-γ含有培地を用いて減圧浸透法により皮膚の深部まで作用させた。さらに、抗ICAM-1抗体、抗IL-7抗体を用いて皮膚を免疫染色した。 抗TP抗体を用いた免疫染色より、正常なヒト皮膚(Control 1)の場合、そのまま凍結した皮膚も37℃、5%CO_2下に24時間培地中でインキュベーションした皮膚もTP産生は認められなかった。また正常なヒト皮膚に減圧操作(Control 2)だけを加えてもTP産生の物理的刺激とはならなかった。これに対して、1,000U/ml濃度のIFN-γで処理した皮膚(Sample 1,2)では、著しいTP発現を認めた。同様に抗ICAM-1抗体を用いた免疫染色より、正常なヒト皮膚(Control 1,2)の場合には、表皮層においてICAM-1の発現は認められなかった。一方1,000U/ml濃度のIFN-γで処理した皮膚(Sample 1,2)では、表皮層において著しいICAM-1発現を認めた。抗IL-7抗体による免疫染色では、IFN-γ刺激をしない皮膚(Control)において基底膜周辺に極めて強い発色を認めた。皮膚においてIL-7が、IFN-γ刺激の有無に関わりなく構成的(constitutive)に存在していることが示唆された。
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