1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878212
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
根岸 直樹 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30218268)
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Keywords | 表皮角化細胞 / 培養皮膚 / 胸腺因子 |
Research Abstract |
表皮角化細胞(KC)が、インターフェロン-γ(IFN-γ)処理により胸線上皮細胞(TEC)と同様にT細胞分化誘導因子サイモポエチン(TP)を誘導できるかどうかを遺伝子レベルで検討した。次に、KCがIFN-γ刺激により、TPなどのT細胞分化因子を誘導できるかどうかを細胞組織工学的手法により構築したハイブリッド型人工皮膚において蛋白質レベルで検討した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1) 表皮角化細胞におけるTPmRNAの発現 IFN-γ刺激前ではKCのTPmRNAは発現していないが、IFN-γで8時間インキュベートしたKCではRT-PCRで増幅されたTPcDNAが認められた。また、TPγ用ブローブを用いてTPmRNAのノーザンブロットを行ったところ、TPmRNAがIFN-γ刺激8時間後に認められ、IFN-γ刺激20時間後には発現が弱まる傾向が窺われた。 2) 重層化した表皮角化細胞におけるT細胞分化誘導因子の誘導 真皮線維芽細胞(FB)をコラーゲンゲル中に播種して培養した後、FB含有コラーゲンゲル(培養人工真皮)上にKCを単層に播種し、気液界面培養法などにてKCを重層化したハイブリッド型人工皮膚(Bell型人工皮膚)を調整し、500U/mlIFN-γ刺激による胸腺ホルモンなどのT細胞分化誘導因子の発現を免疫染色法により検討した。KCがIFN-γ含有培養真皮上で刺激された場合、T細胞分化因子TPIIの発現や細胞接着分子ICAM-1の発現を示すことが確認された。なお、真皮線維芽細胞だけではTPの発現はなかった。
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