1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878216
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐田 正晴 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室長 (20162399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 隆之 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 部長 (00075764)
藤里 俊哉 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室員 (60270732)
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Keywords | 培養基材 / 生体吸収性材料 / ポリ乳酸 / ポリエーテル / 細胞接着 |
Research Abstract |
本年度は、新規な生体組織作出基材について検討した。生体内分解吸収性であるポリ乳酸(PLA)をベースとし、その分解性および化学修飾性を改善するためにエチレンオキシドープロピレンオキシド共重合体(PN)を導入し、ABA型ブロック重合体を合成した。得られた共重合体フィルムのin vitroおよびin vivoでの加水分解性および細胞接着性について検討した。 PLAとPNの組成比がそれぞれ100:0,90:10,85:15および80:20のポリマーをクロロホルムに10wt%溶解し、ガラスシャーレにキャストすることでフィルムを作製した。このフィルムを所定期間生理食塩水に浸漬、あるいはウィスターラット背部皮下に埋入して所定期間経過後に摘出した後、GPC分析により分子量を測定することで分解性を調べた。また、フィルム上でマウス繊維芽細胞3T3を4日間培養し、細胞接着数を測定した。 分解性については、どの組成のフィルムにおいても1〜2週間で大きく分解を生じ、その後緩やかになることがわかった。またその速度は、PN組成比の大きいものほど大きかった。これらのことから、分解がPNを主とする非晶性領域から生じることが示唆されるとともに、分解速度の制御が可能であることがわかった。細胞接着性については、細胞が凝集塊を形成して付着することがわかった。このことから、軟骨組織など、三次元構造の支持組織細胞用の基材として適当であることが示唆された。 来年度は、本生体組織作出基材の生体適合性についてより詳細な検討を行うほか、ラット、イヌから軟骨や心筋細胞などを分離・培養し、作出基材に付着させ、免疫抑制した家畜動物のモデルとしてヌードマウスに移植する予定である。
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Research Products
(1 results)