1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878216
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐田 正晴 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室長 (20162399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 隆之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00075764)
藤里 俊哉 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室員 (60270732)
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Keywords | 血管新生 / 生体吸収性材料 / 糖尿病 / 細胞移植 / 組織工学 |
Research Abstract |
本年度は、新たに生体内吸収性材料を利用して、内分泌細胞移植床となる人工生体組織の作出について検討した。血管新生因子を組み込んだ組織基材をハムスターおよび糖尿病ヌードマウス皮下に埋植して血管豊富な組織を予め新生させたあと、膵臓ランゲルハンス氏島(ラ島)を移植し、その機能発現等について検討した。 生体内吸収性材料であるポリグリコール酸不織布を直径9mm、厚さ2mmの円盤状に加工した。これを含水率97%のポリビニルアルコールゲルで周囲を被覆したが、完全に被覆するのではなく、組織侵入用として円周部に2カ所の空孔を設けておいた。この空孔から内部のポリグリコール酸繊維内に、血管新生因子である線維芽細胞増殖因子を含有するコラーゲンゲルを含浸させ、細胞移植床用人工生体組織とした。これをハムスター背部皮下に埋植し、空孔からの組織侵入性、血管新生能などについて組織学的に検討するとともに、埋植2週間後に同系ハムスターのラ島を移植し、その形態を観察した。また、糖尿病ヌードマウスにイヌのラ島を移植することで、その機能について検討した。 その結果、血管新生因子を組み込むことで、埋植2週間後には空孔からポリグリコール酸繊維内に組織が侵入し、豊富な血管の新生されることがわかった。また、新生された組織内にラ島を移植することで、1ヶ月後でもラ島形態の維持されることがわかった。さらに糖尿病ヌードマウスに適用したところ、血糖値の正常化されることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujisato, T., Sada M., Tsuji T., Rosenberg L.: "Development of Artificially Vascularized Tissue Scaffolds for Islet Cell Transplantation"Sixth World Biomaterials Congress. (2000)
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[Publications] 藤里俊哉、佐田正晴、辻隆之 ほか: "内分泌細胞移植床用人工組織の作出"平成12年度線維学会年次大会研究発表会. (2000)
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[Publications] Fujisato, T., Tomihata K., Tabata Y., et al.: "Cross-linking of amniotic membranes"J Biomater Sci Polym Ed. 10(11). 1171-1181 (1999)