1999 Fiscal Year Annual Research Report

音楽の神経科学

Research Project

Project/Area Number	09CE2006
Research Institution	Niigata University
Principal Investigator	中田力新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	井上多門筑波大学, 物理工学系, 教授 (10168453) 木竜徹新潟大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (80115021) 相馬芳明新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30163132) 杉下守弘東京大学, 医学部, 教授 (10114513)
Keywords	音楽 / 神経科学 / 機能的磁気共鳴画像 / 高次脳機能
Research Abstract	解析装置の改良と新しい方法論の開発最先端プロジェクトにとって、目的とする解析を行うための解析装置の改良、新しいalgorithmを含む方法論の開発は必須の事項である。本研究は平成9年度にスタートし、まず研究の主眼はhardwareを中心とした研究基盤の確立、研究施設の充実化に重点が置かれた。すでに導入されていた横形超高磁場(3T)磁気共鳴装置の安定化、精密化がなされ、RFコイルの改造、gradientの最適化、sampling rateの補正、B_0補正、EPI softwareの改築を行い、世界に先駆けて100msecにおけるEPI画像でS/N比420を記録するに至った。生理学的雑音physiological noiseを除くためのaliasingとhigh pass filterの確立に成功し、統計処理に関してはstatistical parameteric mappingのalgorithmを基盤としたtime series解析の新しいparadigmの開発に成功した。適切なdesign matrixの選出とactivation pattern関数の確立により、activationの極僅かな領域をp<0.001で検出できる機能画像の能力を導き出した。続いて、磁気共鳴機能画像の時間分解能を補うことを目的として、256 channelのEEG topography装置の開発を開始し、source analysisを用いた脳表のcurrent density画像を作成するためのhardwareの確立を図った。同時に、fMRIとの同時計測を可能とするMRI装置内でのsource analysis hardwareも開発した。これらはMRI画像を用いた正確なconduction modelの作成を可能とし、MRI画像に正確に投影可能なreal timeのcurrent density画像を作成可能とする。現在、この256 channel高密度のEEG topographyは世界で唯一存在する、最先端技術である。装置開発の第三のプロジェクトは本研究を代表するプロジェクトでもある、縦形装置の開発である。平成9、10年度の横形超高磁場装置の実践経験は多くの新知識を提供し、本研究チームは世界に先駆けて縦形超高磁場(3T)装置の設計を行い、平成11年度には無事、この装置の立ち上げを完了した。ヒトが寝そべった状態で機能しないことを考えたとき、この装置は世界で唯一、真の意味での機能画像装置であると言っても過言ではない。音楽機能解析音楽機能解析の各論としてはまず、視覚による刺激による楽譜の読解力を言語の「読む」機能と対応させ、多言語解析multi-linguistic analysisによるparadigmとそのデーター解析力から出発した。その結果、楽譜を読む行為が言語を読む行為の延長上にあることを立証し、楽譜の解読も基本的に左半球優位の情報処理でありながら、かつまた、右後頭葉の特異部位の機能参加を必要とすることをつきとめた。その後、認知三次元空間における右半球の優位性、運動三次元空間における左半球の優位性、絶対音感所持者における非言語音と言語音との同一性、一次運動野における手の運動の二重支配などをつきとめた。これらはすべて世界に先駆けた成果である。

Research Products
(20 results)

All Other

All Publications (20 results)

[Publications] Nakada T.: "High-field,high-resolution MR imaging of the human indusium griseum."AJNR. 20. 524-525 (1999)
[Publications] Nakada T.,Nakayama N.,Fujii Y,and Kwee I.L.: "Clinical application of magnetic resonance axonography."J Neurosurg. 90. 791-795 (1999)
[Publications] Kwee I.L.,Fujii Y.,Matsuzawa H.,and Nakada T.: "Perceptual processing of stereopsis in human : High-field(3.0T)functional MRI study."Neurology. 53. 1599-1601 (1999)
[Publications] 中田力: "functional MRIによる脳賦活試験"Pharma Medica. 17. 27-32 (1999)
[Publications] 中田力: "ファンクショナルMRI"日本医事新報. 3897. 137-137 (1999)
[Publications] 中田力: "磁気共鳴による脳機能解析"脳と発達. 31. 212-216 (1999)
[Publications] 中田力: "音楽機能とfMRI"Clinical Neuroscience. 17. 113-113 (1999)
[Publications] 中田力: "MRIによる脳機能解析"総合リハビリテーション. 27. 249-254 (1999)
[Publications] 佐々木康人,辻井博彦,村田啓,棚田修二,吉川京燦,青木幸昌,中川恵一,中田力: "新しい放射線治療"癌の臨床. 45. 120-126 (1999)
[Publications] 中田力: "fMRI:実践のための基礎知識"日生誌. 61. 155-168 (1999)
[Publications] 中田力: "新しいMRI撮像法-磁気共鳴軸索画像"脊椎脊髄ジャーナル. 12. 623-627 (1999)
[Publications] 藤井幸彦,中田力: "機能代償における脳活動の変化"神経研究の進歩. 43. 552-560 (1999)
[Publications] 伊藤浩介,藤井幸彦,中田力: "頭頂葉-update:fMRIで得られた情報"Clinical Neuroscience. 12. 1357-1362 (1999)
[Publications] 中田力,藤井幸彦,田中隆一: "MRI。高倉公朋,斎藤勇,佐藤潔編:図説脳神経外科New Approach 9 脳腫瘍"Medical View、東京. 10 (1999)
[Publications] 中田力,宝金清博,松沢等: "MRI・MRA最近の進歩.堀智勝,平孝臣,伊関洋編:先端医療シリーズ2・脳神経外科:脳神経外科の最先端"先端医療技術研究所、東京. 5 (1999)
[Publications] 中田力: "てんかん。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 4 (1999)
[Publications] 中田力: "脳機能解析。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 5 (1999)
[Publications] 中田力: "AIDSに伴う神経疾患。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 3 (1999)
[Publications] 中田力: "中毒。田代邦雄,山本悌司,廣瀬源次郎編:誤診しやすい神経疾患"南紅堂、東京(In Press).
[Publications] 中田力: "機能的磁気共鳴画像の実践。柴崎浩,田川皓一,湯浅龍彦編:ダイナミック神経診断学"西村書店(InPress).

1999 Fiscal Year Annual Research Report

音楽の神経科学

Principal Investigator

中田 力 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)

Research Products

[Publications] Nakada T.: "High-field,high-resolution MR imaging of the human indusium griseum."AJNR. 20. 524-525 (1999)

[Publications] Nakada T.,Nakayama N.,Fujii Y,and Kwee I.L.: "Clinical application of magnetic resonance axonography."J Neurosurg. 90. 791-795 (1999)

[Publications] Kwee I.L.,Fujii Y.,Matsuzawa H.,and Nakada T.: "Perceptual processing of stereopsis in human : High-field(3.0T)functional MRI study."Neurology. 53. 1599-1601 (1999)

[Publications] 中田力: "functional MRIによる脳賦活試験"Pharma Medica. 17. 27-32 (1999)

[Publications] 中田力: "ファンクショナルMRI"日本医事新報. 3897. 137-137 (1999)

[Publications] 中田力: "磁気共鳴による脳機能解析"脳と発達. 31. 212-216 (1999)

[Publications] 中田力: "音楽機能とfMRI"Clinical Neuroscience. 17. 113-113 (1999)

[Publications] 中田力: "MRIによる脳機能解析"総合リハビリテーション. 27. 249-254 (1999)

[Publications] 佐々木康人,辻井博彦,村田啓,棚田修二,吉川京燦,青木幸昌,中川恵一,中田力: "新しい放射線治療"癌の臨床. 45. 120-126 (1999)

[Publications] 中田力: "fMRI:実践のための基礎知識"日生誌. 61. 155-168 (1999)

[Publications] 中田力: "新しいMRI撮像法-磁気共鳴軸索画像"脊椎脊髄ジャーナル. 12. 623-627 (1999)

[Publications] 藤井幸彦,中田力: "機能代償における脳活動の変化"神経研究の進歩. 43. 552-560 (1999)

[Publications] 伊藤浩介,藤井幸彦,中田力: "頭頂葉-update:fMRIで得られた情報"Clinical Neuroscience. 12. 1357-1362 (1999)

[Publications] 中田力,藤井幸彦,田中隆一: "MRI。高倉公朋,斎藤勇,佐藤潔 編:図説脳神経外科New Approach 9 脳腫瘍"Medical View、東京. 10 (1999)

[Publications] 中田力,宝金清博,松沢 等: "MRI・MRA最近の進歩.堀智勝,平孝臣,伊関洋 編:先端医療シリーズ2・脳神経外科:脳神経外科の最先端"先端医療技術研究所、東京. 5 (1999)

[Publications] 中田力: "てんかん。黒川清,松澤祐次 編:内科学教科書"文光堂、東京. 4 (1999)

[Publications] 中田力: "脳機能解析。黒川清,松澤祐次 編:内科学教科書"文光堂、東京. 5 (1999)

[Publications] 中田力: "AIDSに伴う神経疾患。黒川清,松澤祐次 編:内科学教科書"文光堂、東京. 3 (1999)

[Publications] 中田力: "中毒。田代邦雄,山本悌司,廣瀬源次郎 編:誤診しやすい神経疾患"南紅堂、東京(In Press).

[Publications] 中田力: "機能的磁気共鳴画像の実践。柴崎浩,田川皓一,湯浅龍彦 編:ダイナミック神経診断学"西村書店(InPress).

中田力新潟大学, 脳研究所, 教授 (50281720)

[Publications] 中田力,藤井幸彦,田中隆一: "MRI。高倉公朋,斎藤勇,佐藤潔編:図説脳神経外科New Approach 9 脳腫瘍"Medical View、東京. 10 (1999)

[Publications] 中田力,宝金清博,松沢等: "MRI・MRA最近の進歩.堀智勝,平孝臣,伊関洋編:先端医療シリーズ2・脳神経外科:脳神経外科の最先端"先端医療技術研究所、東京. 5 (1999)

[Publications] 中田力: "てんかん。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 4 (1999)

[Publications] 中田力: "脳機能解析。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 5 (1999)

[Publications] 中田力: "AIDSに伴う神経疾患。黒川清,松澤祐次編:内科学教科書"文光堂、東京. 3 (1999)

[Publications] 中田力: "中毒。田代邦雄,山本悌司,廣瀬源次郎編:誤診しやすい神経疾患"南紅堂、東京(In Press).

[Publications] 中田力: "機能的磁気共鳴画像の実践。柴崎浩,田川皓一,湯浅龍彦編:ダイナミック神経診断学"西村書店(InPress).