2010 Fiscal Year Annual Research Report
修正重力理論,素粒子物理に基づく暗黒エネルギーの起源の探究
Project/Area Number |
09F09029
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
辻川 信二 東京理科大学, 理学部・第二部物理学科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DE FELICE Antonio 東京理科大学, 理学部・第二部物理学科, 外国人特別研究員
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Keywords | 暗黒エネルギー / 密度揺らぎ / 暗黒物質 / 宇宙の大規模構造 / インフレーション / 超弦理論 / 修正重力理論 / 宇宙背景輻射 |
Research Abstract |
研究代表者の辻川は,分担者のDe Felice氏とともに,現在の宇宙のエネルギーの約70%を占める暗黒エネルギーの問題の解決に近づくため,一般相対論を修正した理論に基づく暗黒エネルギー模型の構築とその最新の観測からの制限を行った.特に,系のラグランジアンがスカラー曲率の非線形関数で書かれているf(R)重力理論や,スカラーテンソル理論における物質密度揺らぎの進化を調べ,局所重力の実験から模型への制限をつけた,辻川とDe Felice氏は,Living Reviews in Relativity誌から,f(R)重力理論のレビュー論文の執筆を依頼され,その成果は2010年6月に出版された. また,ミンコフスキー時空の極限においてスカラー場がガリレイ対称性を満たすガリレオン重力理論を用いて有効な暗黒エネルギー模型の構築を行い,そのような模型がゴーストの不安定性や小スケールでの不安定性を持たないための条件について明らかにした.さらに,Ia型の超新星,宇宙背景輻射,バリオン音響振動の最新の観測データを用いて,ガリレオン理論に基づく暗黒エネルギー模型に対して制限をつけた.また,ガリレオン理論をより一般的に拡張したシナリオでの暗黒エネルギー模型の構築を行い,理論的に整合性のある模型の構築に成功した. 上記の研究は,韓国における国際会議においてその成果を発表している。今後の詳細な観測データにより,今後さらに詳細に模型に制限をつけることが可能であり,将来的にもその重要性が増すことが期待される.
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Research Products
(4 results)