2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロダクトデザインにおける顕在的・潜在的要因の認知科学的研究
Project/Area Number |
09F09061
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 克巳 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOUGUNOT Celine 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | デザイン / 認知科学 / プロダクト / 感性 |
Research Abstract |
本年度は「プロダクトデザインにおける顕在的・潜在的要因の認知科学的研究」というテーマの中でも、特にデザインを行う際に、人がもちいる感覚情報に重点をおいた研究を行った。そのなかの実験の1つとして、被験者に「独創的なイス」をデザインすることを課題として与え、そのアイデアの「素(もと)」として、視覚的な刺激(例えば花火の写真)を与えた群と、聴覚的な刺激(視覚的な刺激に対応する聴覚刺激:例えば花火の音)を与えた群を比較した。被験者のスケッチの独創性を、別の人から複数の視点で評定し数値化した。その結果、聴覚刺激を与えられた群の方が、対応する視覚刺激を与えられた群よりも、有意にオリジナルなスケッチ及びデザインを作成する傾向があることが明らかになった。この結果の解釈にはいくつかあるが、視覚的な情報を与えられた際には、その視覚的形態情報に似たデザインになる傾向があったことから、聴覚的情報は視覚的デザインをする場合に記憶や感情への影響を与え、デザインが視覚情報にとらわれないものになっているという仮説を立てている。この実験や関係する予備実験は、複数の国際学会で発表され、そのほとんどの査読付きプロシーディングとして発表されている。特に「International Conference on Kansei Engineering and Emotion Research」での発表(「Kansei Information Processing in Product Design : Exploring the role of visual information in designers' activity」)は、高い評価を受け、国際学会での賞を受賞した。
|
Research Products
(4 results)