2009 Fiscal Year Annual Research Report
河岸・海岸の持続的管理に有効な植生バイオシールドの構築
Project/Area Number |
09F09081
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田中 規夫 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAS SHAMAL Chandra 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 高潮 / 樹木倒伏 / 樹木引き倒し試験 / 根茎構造 / 数値解析 |
Research Abstract |
バングラデシュ国における側岸侵食の実態と現状で行われている対策方法、堤防被覆植生(草本・木本)の現状と高潮時における被災事例の把握(特に、堤防や盛土法面を被覆し侵食を防止する植物としてのベチベル草の有効性把握)を資料収集ならびに現地調査・ヒアリングで把握した.樹木の側岸侵食防止効果については、ヒサシ状河岸近傍の乱流構造を水理模型実験により把握した.樹木の倒伏限界値の把握に関して、高麗川にて行った樹木引き倒し試験の解析を行った。また、荒川にて新たに引き倒し試験を実施した.高麗川の引き倒し試験では樹木周辺の洗掘が破壊限界に及ぼす影響を解明し、樹木の倒伏を表現する力学モデルを作成した。荒川の引き倒し試験では、地盤強度と根の形状特性が樹木転倒限界に与える影響について、さらに詳しく調査を行った.ヤナギ,オニグルミの転倒モーメントと胸高直径の2乗との相関はやや低く,胸高直径の2乗×樹高との相関が一番高い傾向を示した.旧建設省による平均値式,下限値式と比較したところ,やや係数が大きくなる傾向を示したが,樹種の差は大きくはなかった.ヤナギは深根型,.オニグルミは浅根型の根鉢形状をしていたが,オニグルミは根鉢の深さは浅いもののその反対に水平方向の根のはりが良く根鉢半径も大きくなったためと考えられる.同じ樹木間(ヤナギ)で地盤強度による転倒限界式を別々に作成したところ,地盤強度の高いほうが小さな係数となった.地盤の固いほうが根の深さや量が減少しており,それが土と根をあわせた総合的な強度を減少させていた.地盤強度は転倒限界に影響を与えているが,地盤強度によって根の構造を変化させるなど、興味深い結果が得られた.樹林帯の高潮減災効果については、数値モデル解析を行い、バングラデシュに存在するマングローブ樹種の効果について、樹林幅・樹種などによる相違を解析した.
|
Research Products
(2 results)