2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリアに発生するジャガイモYウイルスに変異の多様性とその発生メカニズム
Project/Area Number |
09F09106
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
夏秋 知英 Utsunomiya University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHIKH ALI Mohamad 宇都宮大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ジャガイモ / ジャガイモYウイルス / えそ症状 / リコンビナント / RT-PCR / 遺伝子 |
Research Abstract |
研究目的は、これまでの研究でシリアのジャガイモのウイルス病ではジャガイモYウイルス(PVY)が最重要病原であることが明らかとなっているので、研究対象をPVYに絞り込み、まず、新しいリコンビナント系統であるPVY^<SYR>のシリアでの発生状況をより詳細に解析し、その特異的な検出法を確立するとともに、ジャガイモのえそ輪紋症状を引き起こすPVY^<SYR>の遺伝子部位を逆遺伝学の技法で解明することである。 (1)初年度はまず、これまでの材料とともにシリアで新たに採集したサンプルも加えて、ジャガイモでは新系統のジャガイモYウイルス(PVY)がこれまでのPVY系統のリコンビナントとして出現し、えその輪紋症状による被害を引き起こしていることを解明した。その新系統の性状を明らかにし、その名称をPVY^<NTN-NW>として投稿論文として報告した。 (2)次に、この新系統PVY^<NTN-NW>と他の系統を特異的に識別・同定するためのPCR用プライマーを選抜し、最終的にマルチプレックスPCR法を確立し、やはり投稿論文として報告した。 (3)さらに、えそを引き起こすウイルス遺伝子を塩基配列のレベルまで解明し、最後に系統間で遺伝子を組換えてリコンビナントが生じる条件を解明することを目的として、まずPVY^<NTN-NW>の感染性クローンの構築をめざした。これまで世界中で、PVYの感染性クローン構築の成功例は1報告しかなく、今回の研究では困難を極めたが、最終的に感染性全長cDNAクローンの構築に成功し、タバコおよびジャガイモでえそ症状が再現された。
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Research Products
(3 results)