2009 Fiscal Year Annual Research Report
果実熟成制御機能をもつ新規な1-MCP徐放性包装紙の開発
Project/Area Number |
09F09113
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉井 英文 Tottori University, 工学研究科, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEOH Tze Loon 鳥取大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 1-メチルシクロプロペン / シクロプロペン / シクロデキストリン / 果樹 / 熟成制御 / 包装紙 / DVS / 徐放 |
Research Abstract |
1-メチルシクロプロペン(1-MCP)・α-シクロデキストリン(CD)包接複合体結晶粉末からの1-MCP徐放挙動に及ぼす水蒸気濃度の影響について、以下の検討を実施した。1-MCP・α-CD包接複合体結晶粉末を作製し、包接複合体結晶粉末に温度、湿度を調節した空気と接触させ、結晶粉末から1-MCP徐放速度に及ぼす粉末形態、湿度の影響について、過渡応答装置(鳥取大学工学部)及び動的雰囲気制御装置及びPTR-MS(ミネソタ大学)を用いて検討した。結晶粉末中の1-MCP含量はガスクロマトグラフを用いて測定し、粉末X線回折装置(現有設備)により粉末のCollapse現象と温度、湿度の関係を明らかにした。包接複合体粉末からの1-MCP徐放を、温度50℃で湿度をステップ的に10%ずつ増加させて測定した結果、湿度が増加するごとに1-MCPの徐放量は増加したが、湿度70%になると1-MCPの徐放量は急激に減少した。CDの包接複合体は結晶構造であるが、湿度が高くなると結晶構造の一部が溶解し、結晶度が低下する。この粉末の構造変化による1-MCP徐放挙動の変化を、コラップス現象といい粉末からのヅレーバー徐放挙動には報告されていたが、CD複合体での現象について言及したのは始めてである。また、エレクトロスピニング法を用いた1-MCP.CD複合体繊維の作製に取組んでいる。
|