2010 Fiscal Year Annual Research Report
果実熟成制御機能をもつ新規な1-MCP徐放性包装紙の開発
Project/Area Number |
09F09113
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉井 英文 香川大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEOH T 香川大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 1-MCP / エチレン受容体阻害剤 / シクロデキシトリン / エレクトロスピニング / 動的雰囲気制御 / 徐放 / 粉末 |
Research Abstract |
近年、高品質な果実を世界各国へ輸出する機会が非常に増加してきた。そのため、果実をエチレンレセプター阻害剤1-メチルシクロプロペン(1-MCP)と接触させ、果実熟成を制御するための新規な1-MCP徐放性包装紙の開発が切望されている。1-MCPの徐放解析を、シクロデキストリンの結晶構造変化(結晶質から非晶質構造への変化とそれに伴う1-MCP徐放挙動)を、動的雰囲気制御システムを用いて検討した。1-MCPを包接したα-CD粉末を含んだポリスチレンファイバーを、エレクトロスピニング(EP)法を用いて作製した。このEP法の条件は、ターゲットとノズルの距離:10cm、電位:10kV、ポリスチレン濃度:10.0-22.5wt%により行った。α-CD添加の影響を検討するため20wt%ポリスチレン濃度に対して0-100%のα-CD添加ファイバーを作製した。作製ファイバーの直径、形状観察を実施した。その結果、12.5wt%ポリスチレン溶液(トルエン/クロロホルム:2/3)に対してポリスチレンに対して100wt%の1-MCP/α-CD包接複合体を入れた条件で、ファイバーを作製できた。EP法により作製した ファイバーの直径は、溶液粘度に大きく依存し直径変化はCa数の0.2乗に比例して変化した。20wt%の溶液を用いた場合は、3.8-4.4μmのファイバーであった。α-CD濃度が増加すると殆ど変化せず、直径のばらつき(分散)が大きくなった。EP法により作製した場合の1-MCPの残留率は約80%であった。自作した動的雰囲気制御システムを用いて1-MCP/α-CD包接複合体粉末、及びポリスチレンファイバーからの1-MCP徐放速度を測定した結果、1-MCPの徐放は湿度60%以上で生じ粉末の場合ははっきりとしたコラップス現象が確認できた。ファイバーにすると、このコラップピークが小さくなった。
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