2009 Fiscal Year Annual Research Report
液体-プラズマシステムを用いた高秩序コアシェル型ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
09F09236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 力三 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Qiang 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 気相-液相界面プラズマ / イオン液体 / 金属ナノ粒子 / シース電場構造 |
Research Abstract |
初年度は,気相-液相界面でのプラズマシース電場構造を利用した新しいナノ粒子形成法を構築することを目的として,減圧下でも安定して存在する蒸気圧が極めて低いイオン液体を液相として導入し,プラズマ基礎特性計測とナノ粒子形成実験を行った. 1.イオン液体を導入することによって,大気圧から10Pa程度の減圧下の広い圧力範囲において気相-液相界面を有する直流及びパルス放電プラズマを安定に生成できることを明らかにした.また,静電プローブ測定により,気相-液相界面で形成されたシース電場構造を解明するとともに,電極に印加する電位の極性を変化させることで,気相プラズマから液相へ電子及びイオンを制御して照射することに成功した. 2.プラズマ生成のガス圧力を変化させることで,特に1kPa以上の高気圧領域でプラズマ中の空間電位が大きく変化し,液相へのプラズマイオン照射エネルギーが変化することが分かった. 3.液相中に金属元素イオンを含む塩化物を溶解させ,液相上部でプラズマを生成し,プラズマ中の電子やイオンを液相に照射することによって,金属イオンが還元され,金属ナノ粒子が形成されることを明らかにした. 4.ナノ粒子の粒径制御を目的として,DNAを液相に導入しナノ粒子形成を行った結果,DNAの濃度を増加させるに従って,溶液の色が次第に濃い赤紫色に変化し,Auナノ粒子の表面プラズモン共鳴に対応する可視光領域の約550nmの吸収強度が増大していくことが分かった.この結果は,DNA濃度の増大により金ナノ粒子の合成量が増大することを示しており,金ナノ粒子が形成される過程においてDNAがナノ粒子の表面を修飾し,ナノ粒子の成長を抑制することで,小さい粒径の金ナノ粒子が高密度で形成されたものと考えられる.
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Research Products
(6 results)