2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン・ナノチューブ系ナノワイヤデバイスの超効率的理論設計法とその応用
Project/Area Number |
09F09239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOBODA Oleksandr 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノチューブ / カーボン60 / 非線形光学特性 / 分子軌道法 / 量子化学計算 / 局在化軌道 |
Research Abstract |
Hartree-Fockレベルでの領域局在化分子軌道から全系の正準軌道エネルギーを対角化しないで求める手法の構築-に携わった。巨大系に対してElongation法を適用したあとに、得られた領域局在化軌道と、そこに至るまでに副産物として得た変換行列をうまく組み合わせることにより、全系のFock行列の対角化を行うことなく、単なる行列変換だけで、全系の固有値(軌道エネルギー)が得られるようにアルゴリズムの開発を行い、ポリアセチレンや有機分子スタッキング系に適用して良好な結果を得た。特に規則系に対しては、エネルギーバンド構造を得るために局在化軌道から全系の軌道エネルギーを効率よく引き出す手法の開発が必要であるため、ペプチド系を含むや巨大規則高分子系に対して動作確認を行い、巨大ナノ系のエネルギバンドや(局所)状態密度が高精度かつ高効率で得られるように発展させた。特に、π電子非局在化系に適用可能にするための第一歩として、非局在性が強くて領域軌道を作れない幾つかのバンドをActive軌道に組み込むことにより、効率的に相互作用軌道を選択して解く手法を構築することに成功した。ポリアセン系、ポリアセン、ナノチューブなどに適用し、小さな出発クラスター(つまり小さな領域軌道)の利用でかつ従来法に比べて効率を上げると共に、計算精度が2桁ほど上昇した。さらにグラフェンなど2次元的に広がった系への適用性について検討中であり、そのあとは既に手掛けているエネルギーバンド抽出法との結合も予定している。
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Research Products
(2 results)